特別養護老人ホーム小谷園で、あんまとマッサージのボランティアを行い、お年寄りから喜ばれている方がいる。
津波古にお住まいの上原勇さんがその人。上原さんは週2日ホームに通い、デイサービス利用者の体をマッサージ。昨年5月から始め、これまで延べ約700人の体をほぐした。
上原さんは昭和61年に視力の極度な低下で役場を退職。しばらく家でぶらぶらする日が続いたが、「目以外の体は丈夫なんだから」と針灸・あんまの国家試験取得を決意。厳しく長い勉強生活が始まった。
3年間続いた盲学校での授業は「慣れなくて眠気が襲ったが、それでも若い人たちと肩を並べて懸命に乗りきった。国家試験は健常者も一緒。目の不自由なハンディも点字を覚えることで克服し、見事に難しい試験に合格した。
資格取得後はすぐに「目の事で社会にお世話になったのでその恩返し。お年寄りに快適な生活を送ってほしい」とボランティアを開始。現在に至っている。
上原さんのマッサージを受けたお年寄りからは「体が軽くなった。とても気持ちがいい」「急所(ツボ)をよく知っている。病院のリハビリよりよく効く」などとの声が聞かれ大好評。上原さんの来園を待ちかねている方も多い。
上原さんはその他、園で大正琴の指導も実施。園の行事のたびにみんなで演奏を披露したりと、入園者を楽しませている。
お年寄りは「戦前・戦中・戦後を懸命に生き抜いた世代。足腰が弱っている」と指先に愛情が込められる。お年寄りに接することで「その豊富な人生経験を学ぶことができるんですよ」と今日もボランティアに励む上原さんだ。
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008450 |
内容コード | G000000703-0012 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第243号(1997年10月) |
ページ | 10 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1997/10/10 |
公開日 | 2023/12/14 |