なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

俳壇さしき

文化協会俳句教室六月例会より。瀬底月城選

鉦打ちは女でありし爬龍船 山城百合子
(評)爬龍船競漕は、中国から伝わったと言われる。従来は男性だけで漕いだが、近年は
女性も乗るようになる。男装の鉦打ちが女性なので時代の流れにびっくりした。

百万年水の削りし洞涼し 幸喜正吉
(評)地下水の流れで玉泉洞のような洞(がま)が出来るのに何万年もかかるという。軟らかい
水に大きな力がひそむ。人生八十年、洞の中で万年の涼を味わい命(ヌチ)伸びした。

三線の弦張り替える績高忌 垣花和
(評)三線(サンシン)の弦をつけ替えながら、ふと琉球の歌三線の歴史を考える。績高忌は歌三線の大家知念績高の忌日で1828年6月15日。師の弟子から安富祖流、野村流の両派が生まれた。この句の作者は何流?

うちつれて化粧直しや爬竜船 与那嶺末子
(評)爬竜船競漕(ハーリー)の前に、各組とも爬竜船の化粧直しを行う。これも大事な行事の
ひとつで、各組々で競い合う。ここからお互いの和が生まれる。進水が待ちどうしい。

夫婦して那智大瀧のしぶき浴ぶ 前城守人
(評)和歌山県の南部にある高さ130米の瀧。その壮大さに見とれる旅の夫婦。大自然の
威力に驚く。共にしぶきを浴びることも、良い語り草となる。二人旅の出来る人はうらやましい。先ず健康!

※選者吟
青パパヤ肩の高さは実の高さ

ダウンロード https://docs.google.com/uc?export=download&id=1wjhndjU66zSNDyircOZ60Q_f-9tUuesd
大分類 テキスト
資料コード 008450
内容コード G000000700-0014
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第240号(1997年7月)
ページ 10
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1997/07/10
公開日 2023/12/14