なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

母の日にビッグな贈り物 兄弟そろって受賞 母の日の図画作文コンクール

琉球新報社などが主催する母の日の図画作文コンクールで、字兼久の玉城泰之君・えりなさん兄妹の作文がそろって入賞。関係者を喜ばせた。
泰之君は、お母さんとの読書をとおしたふれあいを描き「特賞」。えりなさんも「拍手」で励ましてくれるお母さんを描き「優秀賞」に輝いた。
兄妹そろっての受賞にお母さんの早子さんは「最初はまさかと思ったけど、とてもうれしい」とコメント。「優しい思いやりのある子に育ってほしい」と願う早子さんに、この上ない母の日のプレゼントとなった。

お母さんと読書
佐敷小5年 玉城泰之
「あったあった。この本だ。」
図書館で「ルドルフとイッパイアッチナ」の本を見つけた時ぼくは、うれしくてすぐ本だなからとりだした。お母さんが自分の仕事場の図書館から、借りてきたというその本を、むちゅうになってよんでいたのを思いだし、ぼくも借りてみることにした。
読んでいるうちにまいごになったネコが人間のように話し、いろいろかつやくしていくストーリーがおもしろくなって、いつの間にかぼくもむちゅうになって読んでいた。
帰ってきたお母さんに「びっくりすることがあるよ、ちょっと来て。」と、借りてきた本を見せると、お母さんはびっくりしていた。話しているうちに、ぼくの方がお母さんよりも前のページを読んでいるのに気がついた。
「お母さんよりも、後に借りたのに、もうそこまで読んだの、すごいね。」そう言われて、ぼくは急にはりきり、二日で全部読み終えてしまった。
「お母さん、最後はどうなると思う。」と、お母さんに言うと、「まってまって、まだ言わないで。」と言っていた。ぼくは、お母さんよりもさきに、物語の終わりをしっているので、何だか得意な気分になってきた。
いそがしいお母さんは、それから2日たって、やっと読み終わったので、二人で、ルドルフの強さや、やさしさについて、いろいろと話をした。お母さんと同じ本を読めたのでとてもうれしかった。
ぼくは、本を読むのが好きだけど、それは今思えば、小さいころお母さんが、毎日のように、絵本を読んでくれたのがきっかけのような気がする。
一年生のときも、ぼくが学校から本を借りてくると、「すごいすごい、おもしろそう。」といつもいってくれるので、心がはずんで、どんどん本を借りるのが楽しくなってきた。それに、休みの前の日になると、近くのシュガーホールの図書館に行き、いろいろな本をいっしょに借りた。
二年生のある日、こんなことがあった。本を借りてくると、お母さんに「すごーい。」と言ってもらえるので、ちょうしにのったぼくは、シュガーホールの図書館で、家族みんなのカードをかってに作り、お母さんの「たまご料理」の本や、妹の「しらゆきひめ」、弟の「アンパンマン」、父さんの「ビジネス」
の本を借りてきたことがある。お母さんは、とてもびっくりしていたが、「みんなにも、本を読む楽しさを知ってもらいたかったんだね。」と言ってぼくが借りてきた本をいっしょうけんめい読んでくれた。ぼくはとてもうれしかった。
お母さんは、夏休みになると、いっしょに自由研究の本もさがしに行ってくれた。「がんばったらいいことあるよ。」と言いながら、ぼくが勉強をがんばると、ときどき好きな本も買ってくれた。お母さんはいつもぼくが本を楽しく読めるようにと考えて、いっしょにがんばってくれた。
お母さんはよく、「本を読めば知しきがふえるよ。世界が広がるよ。心もやさしくなるよ。」と言う。
ぼくは、お母さんのおかげで本が好きになったような気がする。
今、お母さんは、ぼくときそいあって本を読むのがとても楽しいと言う。ぼくが、お母さんよりも、速く本が読めるようになってうれしいと言う。
ぼくも、お母さんと、読んだ本についていろいろな話をするのが楽しくなってきた。これからもぼくは本をたくさん読みたいと思う。
そして、こんどは、ぼくがお母さんに、おもしろい本やためになる本を、しょうかいしてあげられるようになったらいいなと思う。

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大分類 テキスト
資料コード 008450
内容コード G000000699-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第239号(1997年6月)
ページ 9
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1997/06/10
公開日 2023/12/13