なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

俳壇さしき

文化協会俳句教室四月例会より。山城青尚選

漬明祭彼も一門たりしとは 真栄城佐月
(評)清明祭には、お墓に親族の者が集って、ご馳走を供えたあと、そのお下がりを分け合いながらお互いの親睦をはかった。その中には、まさかと思った者もいた。それが一門の者と知った時の驚きがよく描かれている。

竜巻の修羅場の跡や燕来る 崎間恒夫
(評)去る3月29日に竜巻に襲われた南部一帯は、大被害に会った。その翌日には何事もなかったように空は晴れ上がり、燕もやって来た。自然の驚異と燕による平和の尊さについて、実感した場面がよく描かれている。


復帰の日近し百万県民葬 新垣春子
(評)異民族の支配から脱し、日本復帰の先頭に立って、苦悩の日々を送った初代県知事、屋良朝苗先生の県民葬が執行された。今年もまた日本復帰の日が迫ってくると、「屋良さん、安らかに」と祈らずにはおれないのだ。

くり返す琉球処分花の冷え 与那嶺末子
(評)沖縄は1609年の薩摩の侵攻から、1997年の米軍用地特措法改正まで、通算5回も琉球処分が行われている。この事で、平和と人権、経済自立等が絶えず脅かされてきた。時あたかも薄ら寒い花冷えの季節であり、暖かい日を求める心がよく表現されている。

子供よりピカピカのママ入学式 垣花和
(評)四月と言えば、何といってもピカピカの一年生の入学式である。それ以上に、おめかしをして、おしゃべりになったママ(母親)の姿があった。ほほ笑ましい風景がよく描かれている。

※選者詠
鳥の声を背に株出しの甘蔗息吹く

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大分類 テキスト
資料コード 008450
内容コード G000000698-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第238号(1997年5月)
ページ 9
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1997/05/10
公開日 2023/12/13