なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

保健婦だより 「皆が来てくれるから安心」~在宅で暮らすということ~

介護保険の導入、在宅介護…と高齢化社会に関する話題をよく耳にします。町においても昨年、高齢者介護についての意識や介護の状況等について、住民検診時にアンケートをご協力頂きました。その結果、家族を介護したい場所は「家庭」で、実際には「病院」が多い状況にありました。
今回、在宅で支えられながら自分なりの生活を送っている字新里の勢理客カズさん(81歳)を紹介します。カズさんは膝を悪くし6カ月という長い入院の後、晴れて退院し現在一人で生活しています。当時は膝の痛みなどから身の回りのことも制限され退院は無理な状況でした。外泊を試みたり一時は退院をあきらめざるを得ませんでしたが、「家で生活したい」という本人の強い希望もあり、やっと退院に至りました。
初めの内は「いつ転ぶか怖い」という不安と、「皆に手をかけて悪い」「自分でやれる事はやらないといけない」思いで一杯でした。日中は身内や親せき、友人らが足を運んでくれたり、家庭奉仕員が派遣され身の回りの世話や話相手をしてくれます。病院デイケアではリハビリに励み、デイサービスでは入浴サービス等を活用しています。又、在宅介護支援センターや保健婦など関係者が必要時訪問支援をしています。
在宅に戻り3カ月たった今「皆が来てくれるから安心」、「昔話をしたりするのが楽しみで励みになる」「住み慣れた家でできるところまでやってみたい」と本人は言います。丁度カズさんを訪れていた姉妹や友人も「本人がいつも笑っているからできることだよ」又、「できることは本人にやってもらっている」と話していました。
老後を在宅で暮らすということについては、本人の意思(やる気)、身内や周囲の人々の協力、在宅サービスを上手く活用すること等が条件に挙げられます。一方、病気やいろいろな事情で病院や施設での生活を余儀なくされることも現実です。高齢化社会を迎え、介護の問題だけでなく、老後をどのように生き、生活していきたいのか、世代を問わず考えたり話し合ったりしておくことも必要かもしれませんね。

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大分類 テキスト
資料コード 008450
内容コード G000000697-0006
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第237号(1997年4月)
ページ 10
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1997/04/10
公開日 2023/12/13