文化協会俳句教室二月例会より。 瀬底月城 選
魚汁ツンと染み入る山椒の芽 安谷屋竹美
(評)山椒は方言名でセンスルーとも言い、若芽や実が料理に用いられその芳香が喜ばれる。珊瑚礁魚のお汁に入れてその味を引き立てた句で、中七に妙味がある佳句。
甘蔗刈り農道一杯自家用車 安里 洋子
(評)ひと昔前までは遠い畑まで歩いて甘蔗刈りをしたものだ。今は農家も自家用車で畑に行く。世の移り変わりをズバリと表現した。ただ心配なのは堆肥不足等によりブリックスが下がりつつある事だが…
初興し宴座にかはる群刳舟 新垣春子
(評)旧正月の舟溜りでは、今年の海上安全と豊漁を祈り、舟上が宴席に変わる。舟々には大漁旗が立ち並び、舟神様を祀り、親族が集まり、酒肴を供え旧正月を祝う。方々から三線の音が聞こえて来る。いい正月でーびる。
ミントゥンの闇を揺るがす浮かれ猫 崎間恒夫
(評)ミントゥンは玉城村にある。アマミキヨ族の住居趾(アト)といわれるグスク趾。今は鎮まりかえっている城跡の夜、ミャーウと「クリーマヤー」が鳴く。神様もびっくりして目を覚ましてしまった。浮かれ猫は恋猫ともいう。
元旦やふたつ笑窪の額飾 志村真沙
(評)沖縄では彌勒様 (本来はボサツ仏) が福の神として豊年祭等にお出ましになる。ここでは両頬にエクボのあるお面を飾って正月を祝っているというのだ。
※ 選者吟
春近し乾布まさつの朝日光(カゲ)
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008449 |
内容コード | G000000692-0009 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第236号(1997年3月) |
ページ | 10 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1997/03/10 |
公開日 | 2023/12/13 |