なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

俳壇さしき

文化協会俳句教室十二月例会より。     瀬底月城 選

薬罐の湯大噴きをして神迎ふ  新垣 春子
(評)陰暦十二月廿四日、火の神(ヒヌカン)(かまど神)は天に上がる。天の神様に「私を祭ってある家族は、皆仲良くしています」等と報告。天の神様から 「幸福」 を貰った火の神は一月四日に家にお帰りになる。今年もいい年でありますようにと薬罐が音を立ててお迎えするよ。

防潮の阿檀を垣に大根まく  いなみ悦
(評)沖縄の島々の海岸には阿壇垣等の防潮林がある。島人達は昔から、現在のコンクリートの様な物でなく防潮、防風林で「柔よく剛を制す」と、自然の力には自然をという対応をした。「大根まく」 は秋の季語。

冬帽子グランドゴルフの球を追う  真栄城佐月
(評)冬帽子をかぶって、六色の球を追っている熟年の人々の楽しい風景。球を追い、無心で子供にかえった姿がある。太陽の光の下で 『先ず健康』。曲がった腰も伸びます。

石獅子の鼻穴くすぐる花すすき  与那嶺 末子
(評)村の両端の素人造りの魔除けの石獅子。天に向いた獅子の鼻を芒の穂がくすぐる。たったこれだけで、村の様子も見える。アリ、獅子がクシャミをした。誰かハナビラーと噂しているぞ。クスクェーヒャー

幹の虚数え歩きぬ冬の森  安谷屋竹美
(評)古い大木には虚(穴)が出来たりする。キツツキやノグチゲラなども古木に巣穴を造る。子供達が自然観察の時、虚を教えているのだ。ささやかな自然愛護の第一歩である。

※ 選 者 句
残菊のスペイン人形かた身分け

十二月号 「俳壇」 に作者名の誤りがありましたのでお詫びして、訂正、 再掲載します。
祭りの夜どんと光った空の花   照喜名喜美枝

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大分類 テキスト
資料コード 008449
内容コード G000000690-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第234号(1997年1月)
ページ 8
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1997/01/10
公開日 2023/12/13