文化協会俳句教室十一月例会より。瀬底月城選
王朝の絵巻一色街小春 渡眞利春佳
(評)文化の日を中心に首里王朝まつりがあった。琉球国王や王妃の御籠、冊封吏の行列など目をみはるばかり。武器の無い王朝の誇りに憶いが走り、絵巻にとけ込む。
病窓に新北風見たり爬竜橋 前城守人
(評)爬竜船の始りは、国場川の漫湖だという。古くは泊ハーリーもここまで漕ぎ入れた。この故事による爬竜橋を眺めつつ「新北風が見える」という表現は面白い。退院も眞近いようである。
主亡き鉢の白菊咲きにけり 垣花和
(評)今は亡き人が丹精こめて育てて咲き出した白い菊から、植えた主を連想しつつ淡々と詠みあげた佳句。愛と情をこめた連想の文芸が俳句である。
荒北風の海鳴りとどく基地の島 城間睦人
(評)台風などが近づくと、東の海の鳴るのが枕もとまで届いたものだ。この海鳴りも近年稀にしか聞けない。米軍の艦砲に食われ、基地の騒音にかき消されたのだろうか。平和な海鳴りがなつかしい。
祭の夜どんと光った空の花 富永信
(評)シュガーホールでの「元完タンメー」の劇、野外ステージでの澤山の催し。老人福祉センターでの文化祭。老若男女が揃ってのお祭。打ち上げ式には本当に打上げ花火が「ドン」と音して光った。空の花とは見事な表現。
※選者句
季ごころの動かぬ証拠藷に花
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008449 |
内容コード | G000000689-0004 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第233号(1996年12月) |
ページ | 3 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1996/12/10 |
公開日 | 2023/12/13 |