文化協会俳句教室6月例会より。瀬底月城選
奥山や歌碑覆ふまでの伊集の花 山城百合子
(評)「伊集ぬ木ぬ花や、あん美らさ咲ちゅらさ咲ちゅい」の歌碑のあたりの作品であろう。
むせる様な甘い香りがただよう。山原の赤土地帯で、梅雨の頃に厚く黄白色に咲く。ツバキ
科の花である。
木麻黄の葉先の光る芒種雨 安里洋子
(評)一寸した事でもよく観察すると自然の美しさを見出す。木麻黄の葉先に芒種(ぼうしゅ)
雨が水晶の玉のように輝くというのだ。雨上りの一瞬。そこに詩があった。
河骨の小池に灯る夕まぐれ 崎間恒夫
(評)玉城村下田の小さな池に、河骨(こうほね)の径3㎝五弁の黄色花が咲く。スイレン科
の可愛い花で活花用。つぼみが葉下からひょいっと顔を出す。小さな灯火のようだ。年中咲
くようだが夏が盛期。
独り身の買ひもの充たす冷蔵庫 照喜納喜美
(評)忙しく働いている独り身の小さな冷蔵庫。あれこれと一週間分の食料を買い込む。冷蔵庫は、むかし、地下の冷蔵室又は箱に山の氷を入れて食物を貯えたので、夏の季語となる。
六月の雲ゆったりと宿納山 富永尚
(評)六月の白い綿状の雲が、北の方へとゆっくり流れている。佐敷冨士とも言われた宿納(しゅくな)山(又は宿納森)は60m程「首を切られて」低くなった。自然は一度失うと元にもどらない。それでも白雲は山の上を飛ぶ。
※選者句
ほととぎす土帝君が目を党ます
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008449 |
内容コード | G000000683-0008 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第228号(1996年7月) |
ページ | 7 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1996/07/10 |
公開日 | 2023/12/12 |