文化協会俳句教室四月例会より。瀬底月城選
万愚節不夜城となる「象のオリ」 安谷屋竹美
(評)読谷村の米軍基地の4月1日、日本政府による異常警戒。政府が自分で作った 「ウソの警戒とも見える、土地の不法占領、照明の中で住民は守らず、象を守る」 沖縄ではミーハイヌスルという?愚節は四月馬鹿のこと。
窯出しの壼の魚紋の風光る 与那嶺末子
(評)魚紋の壼と一般的に言われるが、この句では魚紋が主題となる。魚紋は壼造りの人でそ
れぞれの特色がある。風光るという春の季語が、うまく焼き上がった喜びを伝えてくれる。
安須森の岩這ひ登るうりずん南風 渡真利春佳
(評)安須森は国頭村辺戸中川にある御嶽で、阿摩美久が天帝の命を琉球で初めてつくった御嶽との伝説がある。岩を登ってお参りする。航海安全を守る御嶽。うりずん南風でヤマトに航く船が見える。
ワイパーののんびり動く春の雨 垣花和
(評)俳句という詩の 「句材」 が身近に、足もとに有るという好物静かに降る雨に車のワイパーをゆっくり動かす 「のんびり」 とした所に四角張らない作者の心がある。春雨じゃ、濡れて行こう…
春塞し沈黙守る石敢当前城守人
(評)沖縄などでは木や石に霊力があるという。中国から伝わった 「石敢当」 の文字を刻むことで、その力が増すのだろう。文字のもつ霊力に符札 (ふうふだ) がある。石敢当に花やお供えを、しなくても黙々と魔物から人間を守る。
※ 選者句
砲撃演習わらふ暇なき恩納獄
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008449 |
内容コード | G000000681-0011 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第226号(1996年5月) |
ページ | 10 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1996/05/10 |
公開日 | 2023/12/12 |