文化協会俳句教室1月例会より。瀬底月城選
活け花のひときは高き実南天城間睦人
(評)南天は沖縄戦前は、絵などで知る程度であった。戦後、園芸店等が導入し鉢物や活け花用として親しまれるようになった。世の移り変わりに感慨を覚える。「ひときは高き」で素直な写生句となり、あたりの正月の様子も見えるようだ。
ネクタイの結び目ゆるめ初仕事垣花和
(評)普段は服装に無頓着なサラリーマンでも、正月には礼服等を着て職場に向かう。式などを終えて仕事にかかるとリラックスし、ネクタイをゆるめ、能率も上がるというものだ。「結び目ゆるめ」がいい。こういう生活句もあった。
リュウキュー鮎の遡上のニュース葵温忌与那嶺末子
(評)鮎は川で生まれ、稚魚は海に下り、春先になると川をのぼって来る(遡上)。
琉球鮎も人々の努力で蘇った。昔、造林、治水に力を尽くした大蔡温への思慕がはしる。蔡温は十二月弐九日に没。歴史的な人物の忌日は季語となる。
読みかけの本がピアノに去年今年山城百合子
(評)去年今年(こぞ、ことし)は旧年から新年に移る感じの季語。読書を続けて新年を迎える感情をこめた句。栞(しおり)を挿んだ句集などをピアノの上に置き忘れたが、今年も読み続けよう。「ピアノに」で切って鑑賞。
桂林の話が弾む甘蔗の花幸喜正吉
(評)琉球と縁の深い中国の旅の思い出話が弾む。前の畑の甘蔗の花を見ていると、甘蔗の伝来の歴史歴史へと想いがつのる。俳句は五七五に季語を上手に活用する。この句の季語は甘蔗の花で冬季。「弾む」で一旦切って味わう。
※選者句
俳誇は四李の巡礼賀状書く
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008448 |
内容コード | G000000674-0011 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第223号(1996年2月) |
ページ | 10 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1996/02/10 |
公開日 | 2023/12/12 |