戦災実態調査とは…
国内唯一の地上戦となった沖縄戦で、佐敷町も多大な被害を受けました。多くの方々の尊い命が奪われ、住んでいた家も焼かれてしまいました。
現在、作業をすすめている『佐敷町史・戦争編』では、1945年(昭和20)4月1日時点を基本に、当時、佐敷村内にあったすべての家の被害の実態を調査し、本編に収録することにしています。
たとえば当時、家族が何人いたのか、その中から疎開した人、軍人・軍属になった人はいたのか、何人の方が犠牲になったのかという人的被害をうかがいます。それに加えて、住んでいた家や家畜はどうなったかという物的な被害についても調べます。
さらに、沖縄戦の被害だけではなく戦前、移民、出稼ぎ、出征などで県外・海外にいた家族についても、その被害状況を調査し、収録する予定です。
調査方法
調査はまず各字ごとに、当時あった屋号を書き込んだ部落地図を作成します。それぞれの部落で何人かの方に集まっていただき、その地図をもとにお話をうかがいます。
その調査で状況がわからない家については個別的に連絡をとるなど、できるだけ見落としのないよう努めていきます。
このようにして得られた調査結果を各字ごとの「被災地図」および「戦災実態調査一覧表」としてまとめることになっています。
調査の意義
戦争で亡くなられた方は語ることができません。また、50年余りがたち、生き残った方々も高齢化しています。しかし、戦争を体験した方々に当時の苦労を語っていただき、それを受けとめ、平和を希求する心を次の世代へと伝えていくことは、戦争体験者とともに生きている者の責任ではないでしょうか。
佐敷町での沖縄戦の実相を知り、語り継いでいくためにも、できるだけ正確に文字にして記録を残していくことが必要だと思います。
現在、字佐敷での調査を終え、伊原、手登根を調査しているところです。また、この戦災実態調査にあわせ、個別的な証言記録のための聞き取り調査も行っています。
引き続き、皆さんのご理解とご協力をよろしくお願い致します。
(町史担当大山朋子)
ダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=15_rkVDD2XXTj4CLqbRXI93UtRm01tx4X |
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008448 |
内容コード | G000000674-0005 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第223号(1996年2月) |
ページ | 6 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1996/02/10 |
公開日 | 2023/12/12 |