ここ数年、町内の農地では、耕作の放棄などによって農地の遊休化が進み、農業関係者を悩ましています。
とりわけ、補助金や町財源からの資本投資で整備された土地改良地区内農地でもその傾向がみられ、早急な対策が求められています。
農地の遊休化とは、かつて畑として農作物の栽培が行われていた土地が、何らかの理由で放置され、雑草地や荒れ地になることをいいます。
その主な原因として考えられるのが、農業者の高齢化、サトウキビ価格の低迷による営農意欲の減退、などがあります。
畑が遊休化すると雑草などが生い茂り、ネズミや害虫などの発生源になったり、排水のつまりをひきおこしたりと、周辺の畑に悪影響を及ぼします。
さらにそのことは、貴重な生産の場が活かされていないということで、町全体の経済発展にとっても大きなマイナスとなります。
その傾向は、土地改良事業で整備された畑でも表れています。
佐敷町の土地改良事業は、昭和56年度からスタートした津波古地区を皮切りに、今日まで大小あわせて8地区で実施。約166haの畑が整備されています。
その約7・6%にあたる約13haの畑が遊休化。地区によっては、その半分近くの土地が遊休化している実態もあります。
土地改良された畑はいうまでもなく耕作しやすくなったはずの農地。そしてその整備に要した費用は、大部分が国や県からの補助でまかなわれているとはいえ、もとをただせば国民の血税。せっかくの資本投資が充分に活かされていないといえます。
農地の有効利用を
その対策として町では、農地の流動化の促進(自分で耕作できなくなった畑を抱えている農家から、農地を求めている農業者への農地への貸借をスムーズにする)、サトウキビに替わる有望作物の斡旋(パッション・フルーツなど)、家庭菜園を農業者以外の者が耕作できる『楽しき農園』(仮称)構想の検討、などを進めています。
畑を遊休化や荒廃から守るには、何といっても農家の皆さんの心掛けが大切。他の仕事や体力低下が原因で畑をできなくなったら、意欲ある農業者に貸す。せめて自分の畑はきちんと管理し、周辺の畑に迷惑をかけないようにする。など、畑を大切にする気持ちを持ってほしいものです。
町役場経済課の佐久川課長は「問題を根本的に解決するには、行政主導ではなく農家の皆さんの意識改革が必要。生産の場である畑にもっと愛情をもってほしい」と、農家の皆さんの理解を呼び掛けています。
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008448 |
内容コード | G000000674-0003 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第223号(1996年2月) |
ページ | 3 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1996/02/10 |
公開日 | 2023/12/12 |