なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

俳壇さしき

文化協会俳句教室11月例会より。山城青尚選

結納や魚紋も踊る宵の秋安谷屋竹美
(評)婚約の証として、婿・嫁の双方から金銭や酒肴などの品物が取り交わされた。その儀式が済むと祝宴が始まった。皿に描かれた魚紋も踊っているようだ。めでたさいっぱいの秋の夜の情景である。

重陽の月七ほろ酔い加減かな山城百合子
(評)陰暦九月九日の節供で、月を眺めながら菊酒を酌み交わしている。酔が回るにつれて、相手にしていたお月様までが酔っぱらっているように見えた、という俳諧味のある句。

御殿庭しがみつきたる冬ばった渡真利春佳
(評)神事が終わった御殿の庭は静まり返っている。そこに冬ばったが土中に産卵のため、草にしがみついている。神の庭は越冬前のばったにとって安全地帯であろう。

山の宿新酒に酔ふて多弁なり与那嶺末子
(評)山の宿で旅の草鞋を脱いでいた。仲間達が揃うと宴会が始まった。酔いが回るにつれてペチャクチャと多弁になった。思い出の旅、思い出の顔があった

雅(ミヤビ)かな黄葉浮かぶ手水鉢(チョーズバチ) 新垣 春子
(評)神仏などを拝むときの手水を入れておく鉢がどっしりと座っている。こんこんと清水を湛えていて、舞い降りてきた黄葉を浮かべている。優美で上品な苑の情景である。

※ 選 者 句
鷹渡る軍政府跡に糞こぼし

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大分類 テキスト
資料コード 008448
内容コード G000000672-0009
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第221号(1995年12月)
ページ 6
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1995/12/10
公開日 2023/12/12