未来にむかって互いに手をとりあい―。かねてより準備の進められていた、宮崎県高千穂町との姉妹都市提携がこのほど実現。8月1日、その調印式典が、高千穂町で厳かにとりおこなわれました。
調印式典は、8月1日、高千穂町武道館で関係者多数が出席して開かれました。
佐敷町からは、津波元徳町長、伊橿清助町議会議長、疎開者代表ら総勢20人が出席。まず甲斐栄夫高千穂町企画情報室長による経過報告がなされ、盟約書の朗読、署名調印と進みました。
両町町長、議会議長により盟約書への署名調印がなされると、かけつけた地元新聞記者らから盛んなフラッシュがたかれていました。
席上、津波町長は 「戦後50年の記念すべき節目の年に、高千穂町と姉妹都市提携の調印ができたことは、感慨深いものがある。そもそもは去る大戦の時、佐敷町の学童疎開児童がお世話になったのが縁。過去の苦しい歴史が、姉妹都市提携というかたちで花開いたことは、この上なく喜ばしいこと。今後、あらゆる方面での友好親善を深め、高千穂町と佐敷町の発展のため、一層努力していきたい」とあいさつしていました。
このあと、喜びの万歳三唱の声が鳴りひびく中、式典は幕を閉じました。
式典終了後、同じく高千穂町との姉妹都市提携を結んだ豊見城村を含めた、3町村合同の祝賀会が催され、友好が深められました。
祝賀会では佐敷町から古謝徳子さん、知念千代美さん、宮城竹茂さん、宮城健さんらによる琉舞 「四つ竹」 「鳩間節」 も披露され、会場から盛んな拍手をあびていました。
また、高千穂町からも地元民謡や「夜神楽」 「高千穂本神太鼓」などが披露され、舞台を飾っていました。
記念のブロンズ像も
調印式典に先立って、同日午前には、高千穂町役場前で記念碑の除幕式が行われました。
記念碑は、今回の姉妹都市提携を記念して建てられたもので、3人の子どもたちが手をつなぎあったブロンズ像。 「友情」 の文字も刻まれています。
記念碑建立の直接指揮をとったという稲葉茂生高千穂町長は 「当時の疎開児童と等身大のサイズにした。像のひとりが南の方角を指さしているのは、親元離れて苦しさ、寂しさを味わった彼らの望郷の念を表現したつもり。彼らも今は立派な大人になっていると思うが、苦しい時の心のよりどころにしてほしい」 と温かい言葉をよせてくれました。
高千穂町ってこんなところ
△位置 九州中央部。福岡空港から高速で3時間くらい
△面積 237k㎡ (沖縄本島南部とほぼ同じ)
△人口 約1万7千人 (佐敷町より少し多い)
町域のほとんどが深い山地。神々の里として知られ、「夜神楽」 や神話と伝説が多くつたわっている。
深い渓谷と焼酎、いで湯は、佐敷町にはないものばかり。ぶらりと訪れて、のんびりと過ごしてみたい……。そんな町です。