なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

河川が、海が、泣いている…… 特集 河川・排水の機能低下と汚染を農業の点から考える 

排水のつまりで民家への浸水被害も
町の丘陵斜面地に源を発する河川・排水は、農地や住宅地を通って海へと流れ込みます。
ここ数年来、その河川・排水が土砂や枯れ葉やゴミなどで詰まり、災害や汚染など、深刻な問題をひきおこしています。
特に梅雨時や豪雨時には、排水のつまりが原因で、下流の民家への浸水がたびたび発生するなど、事態は深刻。早急な対策が求められています。
また、最終的に土砂やゴミなどは海へ流れ込み、町民の憩いの場である海を汚してしまいます。

そこで町・経済課では、農家の皆さんに対して、
  ① 自分の畑やその周辺の排水の充分な管理。
  ② さとうきびの枯れ葉や、ビニール製肥料袋などの排水への投げ込みの防止。
  ③ 畑の自主管理による畑からの士砂流出の防止。
 などについて、強く注意を呼びかけています。

緑肥で土壌の保全 自主的管理で改善を
また、経済課では、6月7日の 「土壌保全の費」 に“みんなの英知で土壌流失を防ごう”を
スローガンに掲げ事業を実施。畑からの土壌の流失の防止と、地力の向上に効果的な緑肥を奨励しました。
緑肥とは、クロタラリヤや緑豆など、特定の植物を畑に植えることにより、土壌の改善を図るもの。それ自体も有機肥料として利用でき、もっとも経済的な自給肥料といわれています。
佐久川経済課長は 「畑や排水を管理することは、生活環境の改善はもとより、農業生産の向上にもつながる。定期的な排水清掃など、自主的な地域の取り組みを期待したいものです」 と町民意識の高揚を訴えていました。

環境好転のきざしも
町では、昨年、ヘリコプターによる農薬の空中散布を中止。その影響からか、サギの飛来の増加やクイナ、ホタル、グッピーなど水辺の生き物の生態系の回復など、明るい話題も各方面で報告されてきています。
町民みんなの手で河川・排水を守ることにより、民家への浸水などの災害を未然に防ぐこと。農地の生産性を向上させること。そして水辺の小動物や溜を守ること。
わたしたちの日常生活には、責任ある行動が求められています。

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大分類 テキスト
資料コード 008448
内容コード G000000667-0004
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第216号(1995年7月)
ページ 4
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1995/07/10
公開日 2023/12/07