楽器の種類にかかわらず、音楽家は誰でも本番が終ると、実に快活朗らかになり、そのうえ大変なガチマやーに変身します。
本番の直前は、適度なリラックスとほど良い緊張感のヴァランスのなか音楽への集中力を徐々に高めてゆかなければなりません。ですから、楽屋にはピリッと厳粛なムードが漂い、一種近寄りがたいものがあります。ちなみに私の場合、本番の30分前からは、できるだけひとりの空間で、瞑想に入るのが習慣です。
このような本番前の、神秘的なキャラクターから手のひらを返したように、フツーの人、いや普通を通りこして、子どものようなキャラクターになってしまうのが演奏家なのです。笑うわ、喋るわ、いやはや実によく食べ、飲むわで、その変身ぶりはまさしくジキルとハイドに近いものがあります。この時の音楽家には何を聞いてもOK。どんな注文もOK、サインOK、握手OK。
というわけで、シュガーホールのコンサート終了後は、解放感いっぱいのアーチストと、感動いっぱいの聴衆のみなさんとのパラダイス・ランデブー・・・・・・交流会をいつも行っているのです。
今年もたくさんのアーチストが来町します。どうぞ町民のみなさん、コンサート後の素顔の音楽家と心暖まる親睦をもって下さい。誰にでも開かれている交流会なのです。
(琉球大学教授)