歌と芝居と舞踊でつづる舞台劇といえば、ここウチナーではなんと言っても沖縄歌劇。「泊阿嘉」「伊汀島ハンドーグワー」「奥山の牡丹」といった悲歌劇にサメザメと涙し、笑い遊んだ先輩のサシキンチューたちは多いことでしょうね。
そんなかつての「ウチナー舞台」の味わいを、いまの子どもたちによみがえらせることはできないかな?…と思いついたのが三年ほど前。つまり、子ども版「ウチナー歌劇=オペレッタ」の着想。
ヤシがまてー、ほとんど方言を忘れてしまったナマのわらばーたーよ、チャースが! そもそも、やれ惚れた、不倫だ、殺せ、死ぬ―……の大人の大昔の大悲劇を、それも気の遠くなるようなワジワジのテンポで大みえ切って延々とでは、いまどきの子どもがついてくるものか。
ノリが良くって元気が出て、ウチナーグチなんかもおしゃれに使い回しちゃう。とナレー、三線・太鼓に笛(フルート)とクラ、近代メカのシンセサイザーに歌あり踊りありの駄酒落あり…。
学校風景なんかも皮肉ったりの超近代的子ども版「ウチナー歌劇」のオペレッタ「モーイのとんち」(モーイ親方の子ども時代の話)が、かくして私の台本・作曲で3年前に誕生したのでした。すでに、北は名護から南は石垣まで、30回近く上演された舞台が、装いも新たにシュガーホールに登場します。
10月15、16日の2日間、南部まつりのシュガーホールヘぜひ親子でおでかけください。
目茶苦茶に楽しませます。
(琉球大学教授)