新聞等の報道でとりあげられ、大きな波紋を投げかけているパトリオットミサイルの沖縄配備について、町議会では反対を決議。 津波町長も強い懸念を表明しました。
湾岸戦争でその威力をまざまざとみせつけたパトリオット地対空ミサイルが、自衛隊の那覇基地、知念基地、恩納基地に配備される計画が明るみになりました。町議会(山城健青議長)では、七月十二日午前臨時町議会を開き、抗議決議と反対の意見書を全会一致で採択しました。
抗議決議と反対の意見書は、パトリオットミサイルが沖縄に配備されることは、自衛隊基地の機能強化につながるものであり、断じて容認できるものではないと断言。
県民並びに町民の生命、財産を守る立場から厳重に抗議するとともに、その配備計画を即時に撤回するよう強く求めたものです。
今回、佐敷町議会は、臨時議会の開催と反対文の採択により、他関係市町村に先んじて真っ先に反対の意思を表明。同日午後には代表四人で自衛隊那覇基地を訪れ、南西航空混成団司令官に、抗議決議文と反対する意見書を提出し、パトリオットミサイルの配備中止を強く申し入れました。
また、津波元徳町長も、議会の議決に先だって七月四日午前、会見で「報道が事実であれば、平和行政を進めていく立場から容認しがたい。国際情勢も対話と協調の時代に進んでいる。基地強化は国際平和の実現に逆行するものとみている」と話し、配備計画に対して懸念を表明するとともに、平和と対話のある行政を推進していく姿勢をあらためて強調しました。
航空自衛隊のパトリオットミサイル沖縄配備に反対する意見書
「パトリオットミサイル」沖縄配備計画の全容が去る7月4日の新聞報道で明らかになり、佐敷町民に不安を与えている。このパトリオットミサイルは、湾岸戦争でアメリカ側の迎撃ミサイルとして、世界中の人々にその威力をまざまざと見せつけ、最新鋭の軍事兵器としてその名を広めた地対空ミサイルである。
本県は、去る第2次世界大戦における悲惨な沖縄戦で多くの県民が痛ましい戦争の犠牲となり、戦後49年の歳月を経た今でも、いまなお戦争の傷あとはいえない状況である。このような状況のなかでパトリオットミサイルが沖縄に配備されることは、自衛隊基地の機能強化につながるものであり、県民並びに町民に基地に対する不安を与えることは、断じて容認できるものではない。
よって、佐敷町議会は県民並びに、町民の生命、財産を守る立場から防衛庁の中期防衛力整備計画に基づくパトリオットミサイルの沖縄配備に対し厳重に抗議するとともに、その配備計画を即時に撤回するよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成6年7月11日 佐敷町議会
内閣総理大臣
防衛庁長官
沖縄開発庁長官
沖縄県知事 あて