「最近は、のんびりと過ごしているよ」と笑顔で語る玉城安助さん(93)は、野菜づくり50
年のおじいちゃんだ。おじいちゃんは、終戦直後から20年ほど1,000坪の畑に米軍向けの
野菜をつくったという。葉野菜はじめ人参、トマト、ピーマン、ナス、きゅうり、かぼちゃ
と季節の野菜づくりにいそしんだおじいちゃん「雨の日も風の日も休む暇はなかったよ。台
風対策で苗1本1本にかわら1枚1枚かぶせたら、風の向きが逆で野菜が全滅したことも
あった」と当時を振り返った。
米軍向けから農連市場向けに切り替えた時は、おじいちゃんがつくった野菜をおばあち
ゃんがバスで出荷する日々だったと2人3脚でがんばった過去をなつかしんだ。
12年ほど前から野菜の苗づくりも始めたおじいちゃん、現在でも自宅近くの畑で露地と
ハウスに、20種類の苗づくりに汗を流す。一昨年までは、その苗をリヤカーに積み、農協
へ出荷していたと話す。今でも町内はもとより近隣町村からもおじいちゃんの苗を求めて
やってくる。
「後継者がほしいね。」おじいちゃんの本音かもしれない。