学力とは学ぶ力―。2月18日、町学力向上対策委員会主催の教育講演会が福祉センター
で行なわれました。講師は、県人材育成財団理事長の津留健二氏。「家庭・地域の教育を考
える」の演題で、津留氏の熱のこもる講演に、150人の聴衆は目を傾むけていました。
30余年にわたる教職の経験を通して津留氏は、「家庭における温かい人間関係が大切。家
庭は港づくりであり、波静かな港づくりが大切。親の生きざまが子どもにどう受け取められ
ているか。そういう中から子どもは、自分の居場所を家庭でみつけることができる。
親が変われば子どもも変わる。親の一言が子どもを変えていくこともある」と強調していま
した。
津留氏は、「近年は、衣食住は豊かになったが礼節に欠けているのではないか。生活のリ
ズム、遊びの形態も変化し、都市部になればなるほど遊びの相手が人間から機械になってい
る」と指摘、そのことが人間関係の不得手を招き、ひいては、いじめや登校拒否がおこって
いるのではと現在の社会構造に警鐘を鳴らしていました。
世の中が複雑、多様化している昨今では、家庭、地域、学校の連携が大事としたうえで、
「本当の連携とは各々の役割をしっかりおさえること。発想の転換も必要で、学校は、生徒
が悪い行ないをした時だけでなく、良い行ないをした時でも家庭と連携を取るべきではな
いか」と投げかけていました。