問
私は、昭和8年4月生まれで今年60歳になり、保険料もこれまで沖縄特例分も含めて32年間もれなく納めてきました。現在は、収入もそれほどないので、年金を請求したいと思っています。しかし、友人から「60歳から受けとると大変損をする」と言われました。本当でしょうか。
答
まず、老齢基礎年金は、65歳に達するまでに25年以上の保険料納付済等の期間が必要であります。あなたの場合、その期間が32年もありますので、受給資格期間は十分満たしています。次に、老齢基礎年金は65歳から支給されるのが原則ですが、年金を早い年齢から受けたいとする人のために「繰上げ請求制度」かあります。しかし、この制度は下表のとおり支給開始年齢に応じて、支給割合か異なっています。では、あなたの場合、年金を65歳から受けるときと、60歳から受けるときを比較してみましょう。
①65歳から受けた場合(100%支給)
737,300円×(384(保険料納付済月数))/(384(加入可能月数)) =737,300円(年金額)
②60歳から受けた場合(58%支給)
737,300円×0.58=427,634円(年金額)
となり、年金額は65歳から受ける場合の約半額にしかなりません。また、この支給割合は一生続くことになっており、65歳になっても100%支給に戻ることはありません。更に、60歳から65歳未満で障害者になった場合に障害基礎年金が受けられなくなることもありますので、これらのことを十分検討されたうえで、繰上げ請求するか否かは決められた方がよろしいかと思います。