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大交易時代に佐敷が果たした役割

佐敷町と文化協会は、来月27日に佐敷上城で「よりやげの根国」シンポジウムを開催する。
よりやげの根国とは、おもろさうし第19巻に収まる佐敷賞讃の詞である。「佐敷よりやげの杜に島寄せる鼓のある按司、又根国寄り上げの杜に」とあるように、第一尚氏の拠点となった佐敷の杜は、多くの島びとを寄せるすぐれた地域として位置づけられていた。では、琉球歴史の中でも特筆される14世紀から15世紀へかけての大交易時代に、佐敷はどのような役目を果たしたのか。史蹟は多い。拝所も説話も各字に散在するが、その由来や歴史的背景となると不明の点もあろう。
私たちの町・佐敷は、尚巴志王生誕の地として、また第一尚氏発祥の地として広く知られている。かつては村歌の中でも歌われて親しまれた。
しかし、史書に見る限りでは門中組織をはじめ、民俗行事にしても決して充分解明されているとは言えない。
この度のシンポジウムでは、歴史(考古)、民俗と芸能、祭祀と門中、地域と濡のかかわり、民話と町民生活の5部門について、それぞれ専門的立場で佐敷上城を軸にした地域的論議を深めていただく。もちろん場天(馬天)港のもつ意義や祭祀の状況などにも目を配りつつ、21世紀へ向けた佐敷の未来を、文化的、歴史的視点からも方策を探る。
シンポジウムが、論議のままで終っては意味がない。私たちは、2000年まで毎年1回、この計画に添って論を重ね、報告書の作成とともに中国調査団の派遣、アジア芸能祭などの誘致、さらに副読本の編集、第一尚氏関連資料館の建設など、文化センター施設とのかかわりの中で、ユメを大きく広げている。
町民の歴史的語りを高めるために、教育、文化、行政関係のみならず、広く町民のご意見、ご参加を求めたい。

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大分類 テキスト
資料コード 008446
内容コード G000000642-0021
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第199号(1994年2月)
ページ 14
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1994/02/10
公開日 2023/12/05