県立沖縄盲学校との交流活動で成果/佐敷中で心身障害児理解推進校1年次研究発表会
思いやりの心を持って、すすんで行動する生徒を目ざして。1月17日午後、文部省研究指定心身障害児理解推進校である佐敷中学校で1年次の研究発表会が行なわれました。
佐敷中学校では「思いやりの心」を育てようと昭和63年度からボランティア活動を教育課程の中に位置づけ、これまで養護施設訪問や公園の清掃、独居老人宅友愛訪問等を継続的に実践してきています。平成5年度は、県立沖縄盲学校との交流を中心に研究が進められ、佐敷中での意見発表会や合唱コンクール、授業への盲学校生の参加、また、佐敷中生の盲学校の運動会への参加、リーダー学校での体験学習、さらに障害者理解講演会と実践を積み重ねています。
1年間の取り組みの概要説明に立った屋良菊子教諭は、「障害児理解についての講演や交流活動で知識を補給し、実践しながら自分をも見直すことができればおおいに評価できる」と語り、1年次の成果として、①行動する中から障害児も共に同じ位置にあることが理解できた ②社会的弱者の立場に立って物事を理解する習慣が芽生えてきた ③障害児と交流するなかで自分を反省し、他人の「いたさ」がわかるようになってきた―の3点をあげていました。
佐敷中では、交流活動や講演会などが行なわれる度に全生徒が感想文を書く習慣をつけており、屋良教諭は、まだ「芽生えた」にすぎないが、彼らの作文や行動から障害者に対する理解度の深まりに確かな手ごたえをつかむことができた、と研究の成果を報告していました。
30年近く養護教育に携わっている玉城哲夫教諭は、「健常者が障害者と共に生ることがテーマなんです。盲学校の生徒と交流することによって彼らの生きざまが、佐中生の心に響くものがあり、生きた教材となっています。百の理論より1つの実践です。今後の目標は、これまでの設定交流から自由交流にもっていくことです」と熱っぽく語っていました。