「健康のために始めたんです。もう4年目に入りました」と笑顔で話すのは、中山トシさん。琉球新報夕刊の配達を始めて4年余り、雨にも負けず、風にも負けず、1時間30分かけて、53世帯を駆けめくる。
「歩くことは、体にいいですね。新聞配達をしてからは、1度も病気したことないです」と笑うおばあちゃんは、77歳という歳を感じさせない元気者だ。午後2時30分、配達の時間だ。「夕刊でーす!!」今日も、おばあちゃんの声が隣り近所に響き渡る。
配達途、「ユクレー、チャーャグヮーヌディイケー」の声がかかる。その時は、一休みをして話をするという。これもまた、おばあちゃんにとって楽しみのひとつだ。
屋敷が大きいため、空いた時間は、ほとんど草むしりや庭いじりに費やしていると話すおばあちゃんには、宝物がある。それは、終戦面後に購入した戦前のミシンだ。手入れをかかさないため、現在でも使用可能。最近は、もっぱら繕いものだけに使っていると笑う。めがねをかけずに針に糸を通せる、まだまだ現役のおばあちゃんでもある。