秀句が一層輝いて-。このほど、本町の新田器一(俳号新田呂人)さんが、琉球俳壇賞を受賞し、1月29日、琉球新報社で行なわれた受賞式に臨みました。
新田さんは、農業に従事するかたわら、県俳句協会や本土俳誌「草苑」同人として活躍、これまでに各種の大会や吟行句会等で多くの賞を受けています。その中でも、昭和56年全国農業新聞俳壇賞は特筆されると言われ、新田さんの作品は、感覚的に鋭いものを持っているとの評価を得ています。
今回の受賞に新田さんは「うれしいです。俳句を詠むことによって視野が広くなりました。今後も続けていきたいです。そして、俳句を通して生の証を残していきたいと思っています。」と語っていました。
町内で開かれているシーサー句会(瀬底月城主宰)にも参加する新田さんの日常は、午前4時に起床し6時までの間、新たな作品に思いをはせ、その後農作業にいそしむのが日課ということです。俳句への道は、瀬底月城氏の誘いがはじまりとのことです。「奥のふかい俳諧の道は、興味つきることがありません。今回を一つの節目にして、一層精進していきたいと思っています」と語る新田さんはさらに心にしみる俳句の世界を築いていくことでしょう。
次は、新田さんの作品です。
●空腹のダムを癒せり寒の雨
●ちちははの手つきで播きぬうずら豆
●骨たちの地底の叫び蝉時雨
●喜雨どつとぐんと伸び出す甘蔗の芯
●百姓に台風休みと言ふ悩み
●十雨得て畦を枕の二期稲穂