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月1回の学校週5日制実施に関する町教育委員会の方針

一、学校週5日制の趣旨
今日のような社会の変化が著しい時代においては、自ら学ぶ意欲と社会の変化に対応し、
主体的に考え判断し行動するために必要な資質や能力の育成を図る必要がある。これらの
資質や能力は、これまでの学校教育だけでなく自主性を発揮しやすい家庭や地域社会での
社会体験、自然体験、生活体験をとおして深化し定着するものである。
学校週5日制の導入は、社会一般の週休2日制の実施とともに、幼児児童生徒の家庭や
地域社会における生活時間の増加をもたらし、学校、家庭、地域社会がそれぞれのもつ教育
機能を発揮し、相互の連携を深め、総合的に子どもの望ましい人間形成を図るためのもので
ある。また、労動時間の短縮をとおして、ゆとりと豊かさの実感できる生活の実現を求め、
子どもの生活にもゆとりをもたらすものである。
学校週5日制導入においては、教育水準の維持、子どもの学習負担、家庭や地域社会の
受け入れ体制の整備充実などの幅広い立場から検討を必要とする問題である。
 21世紀を担う子どもの健全育成を図るために全町民の協力と理解が必要である。

二、町教育委員会の基本的な考え方
①学校週5日制は学校外活動をとおして、心豊かで活力に満ちた人間を育成するための
ものである。
②休業日となる土曜日は、原則として子どもを家庭に帰す。
③休業日となる土曜日の子ども達の過ごし方は、各家庭や地域の主体性を優先する。

三、実施に関する対応
教育委員会
①学校週5日制推進委員会及び推進会議を設置する。
②学校外活動のプログラムの開発
③各種青少年団体等の指導、育成
④指導者の養成・確保
⑤学校開放の促進 (学校の施設管理は原則として学校が行なうものとする)
⑥社会教育施設の充実
⑦学習指導要領の趣旨を生かした学校運営及び教育課程編成への指導助言
⑧各種関係団体等との連携
⑨家庭、地城への啓発、広報活動
 ⑩教職員の勤務については、必要に応じて対応するものとする。

学校・幼稚園
①幼稚園においては、教育内容を精選し教育環境を一層工夫する。
②幼稚園・小学校低学年において、保護者が家庭にいない幼児・児童のうち、保護者が
希望する者については、学校などにおいて必要に応じて遊び、スポーツ文化活動を
実施する。
③週5日制校内推進委員会を設置し、町教育委員会及び各種関係団体等と連携を密に
して推進する。
④人の生き方、余暇の活用についての指導 (過度の塾通いの弊害の周知徹底)
⑤適切な教育課程の編成に努める
 ア、教育課程の編成に当たっては、標準総授業時数、各教科等の標準授業時数が確保され
るようにする。
 イ、標準授業時数等の確保に向けては、
 ・学校行事の精選、各教科等外の活動の見直し。
 ・学校裁量等の活用等。
  により、地域や各学校の実態を踏まえ、児童生徒の負担加重にならないようにする。
 ⑥指導内容、方法の工夫改善に努める。
  学校週5日制の実施に当たっては、「現在の教育水準の維持」も大きな課題である。そ
  のため、各学校においては、
 ・指導内容の改善。
 ・指導方法の工夫。
 について、校内研修等をとおして 取り組み、基礎・基本の定着が図られるようにする。
 ⑦校内推進体制の確立に努める。
  学校週5日制の円滑な推進を図るため、校内の体制を整え、
 ・学校の諸課題等の検討。
 ・研修計画等の見直し。
 ・児童生徒や保護者の実態や要望の把握等の実施に努める。
 ⑧学級活動、生徒指導の充実に努める。
  日常の生徒指導との関連を図りながら、特別活動で、
 ・休日の過ごし方。
 ・休業日の学校施設設備等の利用の仕方等。
  について、年間計画の中に位置づけ指導を行い、休業日となる土曜日が有効に活用され
  るよう努める。
 ⑨学校開放への取り組み。
  学校週5日制の趣旨からすると、休業日となる土曜日には児童生徒は家庭や地域で活
  動することが望ましいが、地域での施設設備が十分でない現状では学校の施設や設備
  を児童生徒や地域の人々に開放する。その際、地域の実態等に即して学校などの施設や
設備を開放するか、あるいは開放できるかを町教育委員会と十分連携をとり、各学校で
検討する。
 ⑩部活動等の見直しに努める。
  部活動は、心豊かでたくましく生きる児童生徒の育成のため学校において実施されて
いるところである。部活動実施に当たっては、児童生徒の心身の発達段階を考慮した健康管理や休日における家庭と接する時間の確保等から、休日となる土曜日を有効に活用するように工夫する。
 ⑪家庭や地域への啓発活動に努める。
  毎月の授業参観日、学校だより等をとおして学校週5日制の趣旨が理解されるよう
保護者や地域の人々への啓発活動に努める。
 ⑫関係機関との連携を図る。
  社会教育関係団体などの協力を得ながら、地域におけるボランティアの育成や確保に
努める。また、学習塾関係者に対しては理解と協力が得られるようにする。

地域
 ①日常生活での「隣りのおじさん、おばさん」としての役割意識。
 ②子ども会等の育成。
 ③地域クラブ活動の育成。
   「親子スポーツクラブ」 「自然観察クラプ」 「ボランティア」等。
 ④多様な活動の場と機会の設定。

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大分類 テキスト
資料コード 008445
内容コード G000000624-0022
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第181号(1992年8月)
ページ 8-9
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1992/08/10
公開日 2023/11/29