なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

ヘルス・プラザ ちょっと気づいたこと 杏林大学医学部教授 古見耕一

佐敷町住民の皆さん!! お元気でお過ごしでしょうか。私、時々健康相談あるいは訪問検診のためにおじゃましていますが、いつものことながら、わが“ふるさと”へもどってきたような気分で楽しくやっております。
さて、本日は皆さまの健康に関することで、近ごろ、気づいたことをちょっと述べてみたいと思います。わが国における最近の死因順位は、第1位“がん”、第2位 心臓病、 第3位 脳卒中ですが、これら成人病による死亡が少ないとはいえ、沖縄県全体、佐敷町でもだいたい順位は似ています。
佐敷町では、年によって多少の違いはありますが、がんや心臓病でそれぞれ十数人、さらに脳卒中で数人(過去にはゼロの年もありました)が亡くなられています。
がんの原因はいまだに解明されていないため、予防は必ずしも容易ではありませんが、体の調子が悪いときには早めに検査を受けて早期発見につとめるのが最も賢明です。問題は心臓病と脳卒中であります。
心臓病や脳卒中は、食事をはじめ運動や休養などのよりよい生活習慣を心がけることにより予防できるのは、皆さんよくご存知のことと思います。動物性脂肪や食塩のとり過ぎ、高血圧などが心臓病、脳卒中によくないこともよく知られていることです。
私が住民の皆さんについて気にし始めていますことは、数年前に比較して、血圧の高い人が増えているように思われることです。これまで住民の皆さまの多くの人たちによって、健康教室、栄養教室などと称して、住民の皆さんが自らの手で活動されていたことを思い出します。
もし、ちょっとした気のゆるみが、先に述べました高血圧の増加傾向に関連があるとすれば…と気になるのです。「自分の健康は自分でつくる」ということは、現在でも変わりありません。折りにふれ、自分の食生活を含めた生活習慣について考えてみませんか。
8月の住民検診では、また、お元気なご様子で皆さまとお会いでき、語り合えるのを楽しみにしています。

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大分類 テキスト
資料コード 008445
内容コード G000000623-0015
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第180号(1992年7月)
ページ 6
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1992/07/10
公開日 2023/11/29