なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

佐敷金杜

猛威をみせつけた台風3号が去り、照りつける夏空がもどってきた。今台風は、本島南部を直撃し、本町も含め、多くの大きな被害をもたらした。自然の猛威を改めて認識するとともに、災害に対する物心両面のそなえの大切さを痛感させられた。
台風は水事情の好転にとっては恵みともいえるが、その都度農水産物への被害は大きく、やはり自然災害のなにものでもない。今回の台風3号は、6月30日の県農水部の発表によると農水産物の被害額は、約25億6000万円にのぼるという。
農作物被害の中でも、サトウキビが約12億8000万円、ついで野菜が約10億4000万円、果樹が約1億4000万円、花き約9000万円と被害状況速報が出されている。沖縄県の農業をまさに台風がゆさぶっているといえる。
地区別でも、直撃を受けた本島南部に被害が集中、16億7000万円という被害額がはじき出されている。本町でもバナナ畑など多くの被害が出ている。台風の恐ろしさ、そのエネルギーの強さをまざまざと感じる。
被害をこうむられた方は、今後も苦労が続き、復旧への汗が強いられることになる。自然は奪うものも大きいが、私たちに限りない恵みをも分け与えてくれる。先人たちは、この地で営営と生活し、歴史と文化をつくり、農水産業を興してきた。
 その知恵にならい、さらに今日の技術と物資を生かし、自然災害にそなえた農水産業へ発展させなければならない。(収入役)

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大分類 テキスト
資料コード 008445
内容コード G000000623-0007
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第180号(1992年7月)
ページ 3
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1992/07/10
公開日 2023/11/29