はじめに
第90回佐敷町議会定例会の開会にあたり、提案いたしました議案の説明に先立ち、町政運営の所信の一端を申し上げ、議員各位ならび町民の皆様のご理解とご協力を賜わりたいと存じます。
私は就任以来今日まで、常に町民の心をこころとした町政運営を基本に、本町の持つ地域特性を生かし、より効果的なまちづくりをめざして微力ながら努力を重ねてまいりました。
町民の皆様の日常的な協力や自主的な参加等、力強い支えのもとに社会福祉の基盤づくりをはじめ、農業基盤整備、学校教育施設の整備拡充、生活環境の整備等々、町民のニーズに即した施策を推進してまいりました。町民健康づくり運動と公園整備事業、傾斜地の崩壊防止とCGG運動に連動した造林事業等、明確に目標を定めて町民一体となって事業の推進に取り組んできたことが大きな成果を生み出し、県内外から高い評価を受けるに至ったと確信いたしております
今後とも町民の和と協力のもとに、さらに佐敷が町民として誇れるまちづくりに邁進してまいりたいと考えております。
さて、我が国の経済情勢は、拡大テンポで緩やかに減速しつつあり、やや過熱ぎみであった高い成長から、雇用の均衡を維持しながらインフレなき持続可能な成長経路に移行する過程にあるといわれております。
一方で、本県経済については消費者物価が引き続き安定する中で、企業設備投資をはじめ民間消費や財政消費、観光関連を中心に、今後とも順調に推移するものと見込まれているところであります。
また、雇用情勢については、なお厳しい面が見られるものの、景気の拡大を背景に改善基調で推移するものと予想されております。
しかしながら地方財政は、巨額の地方債残高を抱え、その償還が大きな負担となるとともに、新たな財政需要にも対応する必要があるなど、依然として厳しい状況にあることから、今後とも節度ある財政運営を図るよう要請されているところであります。本町においてもこのことは例外ではなく、さらに財政の健全化に努め、町の均衡ある発展に努めてまいらなければなりません。
本年は沖縄が日本本士に復帰して20周年という大きな節目を迎えます。この意義ある年をステップに、さらに町民一丸となって本町がめざす「自然との調和、活力ある健康なまち佐敷」の実現に向けて強力に取り組んでまいる所存であります。
基本施策
沖縄が日本に復帰して20年、2次にわたる沖縄振興開発計画の推進と復帰特別措置等により、着実に発展を遂げてまいりました。本町においても学校教育施設をはじめ、道路、排水、農業基盤整備等、社会資本の整備が相当進められております。
これも町民一丸となっての努力の成果であり、行政を執行するものにとって感謝に堪えないところであります。
新年度は復帰20周年の節目を迎えるとともに、第3次沖縄振興開発計画がスタートする意義深い年ともなります。本町においては、この意義ある年の第一歩を振興計画に盛られた施策を踏まえ、さらに島尻地域及び南部広域市町村圏などの広域的な施策や事業計画との整合性を十分配慮しつつ、地域特性を生かしたまちづくりに取り組まなければなりません。
本町は、21世紀を展望し策定いたしました第2次基本構想、基本計画をスタートさせて3年目を迎えます。いよいよ構想の確かな実現に向けて町民の英知と努力を結集し、本町行財政運営の墓本施策である 活力のまちづくり 創造のまちづくり 連帯のまちづくり 快適なまちづくり のもとに、時代に即した豊かで明るい健康なまち佐敷町の実現に向けて最大の努力を重ねてまいりたいと考えております。
活力あるまちづくりは、地域産業の振興が基本であります。本町の産業は農業を主軸に、漁業及び商工業で構成され、町勢発展の推進力となっております。今後とも農業を町の基幹産業として位置づけ、地域活性化と連動した多面的な振興策を展開いたします。商工業については、既存の商工業の育成とともに内需及び対外的な需要に対応した新規業種の立地を促進し、製造加工業の育成、商工会活動の活性化促進に向けた施策を推進してまいります。
漁業については、将来を見すえた振興計画を策定し、計画にもとづいて具体的に振興策と取り組んでまいります。
本町の21世紀を展望したまちづくりの柱であるマリン・タウン・プロジェクト構想は、国や県と一体となって早期実現に向けて最大限の努力をいたします。
本町は、先人から継承された豊かな歴史や文化を有し、また、教育立町として昔から多くの人材を育ててまいりました。将来とも教育を大事にする風士と理念のもとに、自主性、創造性豊かな人間形成と、郷士の自然と文化を尊重し、日々進展する社会の動向に対応し得る健全なる町民の育成に努めます。
さらに町民の教育、文化への要望に対応して、活動の拠点となる中央公民館の機能を兼ねた文化センターの建設をいたします。
社会環境の変化の中でますます福祉需要が高まり多様化が予想されます。このような社会の要請に応えて、担当課の強化、町社会福祉協議会の育成強化、さらに法人による老人ホームの建設、在宅老人介護の支援等多岐にわたりきめ細かな福祉施策を推進してまいります。
健康で文化的な生活を営むため、本町の自然的、社会的特性を生かしながら、町民と行政が一体となり、積極的に生活環境の整備に努めます。さらに、全町植物園化計画を策定し、その計画にもとづいて具体的に取り組んでまいります。
一.活力のまちづくり
豊かで活力のあるまちづくりのためには、産業振興の基盤づくりに加え、住む人の心がふれあう地域づくりが重要であります。それには本町の基幹産業である農業基盤の整備、ならびに生産組織の充実強化、組織間あるいは個人間の連帯意識の高揚、住民参加による地域運動の展開が必要であります。住民、組織、行政が一体となっての取り組み、施策の推進が本町の将来の目標である「自然との調和、活力ある健康なまち佐敷」の実現に結びつくものと確信いたしております。
農業生産基盤の整備状況は、昭和61年度から進めてまいりました県営浜崎地区土地改良事業が、関係各位の努力によって順調に進められ、実施予定面積の約70パーセントが整備されております。新年度は、事業費1億5,000万円、整備面積12.1ヘクタールが予定され、事業終了も間近に迫ってまいりました。本年度から工事が進められております仲伊保地区士地改良区も計画どおり事業が推進され、新年度は事業費6,000万円、面積8ヘクタールの整備が予定されております。
農村総合整備モデル事業も大幅な予算増となっており、万全な態勢で取り組まなければなりません。さらに、新里地区農地保全事業の実施にあたっても、計画どおり実施できますよう最大の努力をいたしてまいります。
農業の健全な発展は、農業基盤の整備はもとより担い手の育成と確保が最も重要であり、生産者の組織である農業協同組合との連携は不可欠であります。新年度からスタートする新農協では営農指導部門の強化を最重要課題として掲げておりますので、今後、町と新農協が十分協議し、実効性のある施策のもとに生産者の育成に努めてまいりたいと考えております。
漁業の振興につきましては、これまで漁業経営の安定、向上をめざした水産構造改善事業のもとで生産基盤の整備はもとより、浮漁礁設置補助、漁船や漁具購入補助、組織活動のためのハーリー行事等への助成を実施してまいりました。今後ともこれらの事業を継続助成していくとともに、新年度は将来に向けての漁業振興のための基本構想を策定いたします。また、仲伊保漁港の早期整備促進に向けて最大の努力をいたしてまいります。
商工業の振興については、商工会の振興発展計画に沿って一体となって取り組み、地域の要望に応えられるよう努力し、活性化の原動力ともなる組織活動に対しましても積極的に協力、助成してまいりたいと考えております。
畜産の振興は、貿易自由化や生産地域における環境間題等大変厳しい状況にありますが、これらの問題を一つひとつ克服し、健全な発展をめざすため、組織の育成強化、獣医師の委託等により、今後とも経営の安定、生産意欲の向上に努めてまいります。
長期にわたって推進してまいりました造林事業につきましては、平成3年において概ね完了いたしました。今後は樹種の保全、育林と自然環境の保護、育成に努め、緑豊かなまちづくりの推進に努めてまいりたいと考えております。
21世紀を展望して計画いたしました佐敷シーガーデン構想は、平成2年8月の第8次港湾計画への位置づけを経て、現在、中城湾港マリン・タウン・プロジェクトとして事業化の段階にあります。同プロジェクトは、地域活性化の方策として活力と潤いのあるまちづくりをめざすものであり、これまで漁業補償調査、干潟生態系環境保全検討調査、マングローブ自然公園整備調査等が実施されております。
新年度にあたって本町は、具体的な事業化に向けた事業計画調査を実施してまいります。事業の実施には、自然との調和を図り、将来に悔を残さぬよう計画し、町民の意思を反映したまちづくりに取り組んでまいる所存であります。
二. 創造のまちづくり
未来に輝く佐敷町の建設は、住民相互の連帯感の釀成と、創造力に満ちあふれた人間性豊かな人材育成に向けた施策が必要であります。本町は昔から郷士を愛し、教育、文化を大事にする風士が伝統として受け継がれ、それは、町民の心の中に脈打っております。私は、先人たちが残してくれたこの偉大な業績を守り、さらなる発展に向けて最大限の努力をしなければならないと決意を新たにしているところであります。
義務教育は、人間形成のうえで、あるいは基礎知識を涵養するうえで極めて重要であり、その果たす役割もまた大であります。本町では、教育こそ地域づくりや地域活性化の基本であることを深く認識し、これまで教育環境の整備充実に鋭意努力を注いでまいりましたが、今後とも引き続き、年次的に整備充実に努めてまいります。さらに、これからの社会動向に対応し、次代を担う児童生徒の地域社会の適応能力を高めるために、多様な学習機会を創出していきたいと考えております。また、課外学習や郷士学習の推進を図り、わが町を正しく理解し、ふるさとを誇り、愛する意識を涵養してまいります。あわせて情報教育の一環としてCAI教育を推進し、多面的な学習機会の活用に努めます。
学力向上対策につきましては、本町は新年度から3ヵ年間県教育委員会より「学力向上対策推進地域指定」 を受けることになっており、これにもとづき、これまでの成果を踏まえ学校、家庭、地域と連携して実効ある対策を講じてまいります。また、学校生活にうまく順応できない児童生徒のために教育相談員を設置し、長欠児や登校拒否児の指導にあたらせます。
青少年健全育成については、青少年育成町民会議、町子ども会協議会など多面的な活動の展開に向けて組織体制を強化拡充し、あわせてPTA、学校、防犯協会など関連機関との連携を密にして、町ぐるみの取り組みを確立してまいります。さらに、南部地区少年の船への参加、国際交流事業等を推進し、青少年の夢と希望に応えられるまちづくりを進めてまいります。
社会教育につきましては、本年招へいいたしました社会教育指導主事の指導のもとに各種講座、教室、講演会等を開設し、生涯学習時代の到来に向けて取り組んでまいります。
社会体育につきましては、町民の健康づくりや体力向上への関心の高まりに対応した体育活動を活発化させ、健康で生き甲斐に満ちたヘルシータウン・佐敷の実現をめざしたいと考えております。
地域文化の継承と発展につきましては、歴史と文化をもとに町民の創意によるまちづくりを基本理念として受け継ぎ「佐敷ルネッサンス構想」の実現に向けた地域文化の育成に努めます。さらに本町は、琉球三山を統一した尚巴志生誕の地であり、由緒ある土地柄でありますので、関連した資料の収集、保存を図ってまいります。
近年、生涯学習時代の到来ともあいまって社会教育活動への行政需要は一段と高まってまいりました。このような時代の要請に応えるため新年度は、文化センターの建設に着手いたします。同施設は、学習等供用施設と町民会館からなる複合施設で、学習等供用施設部分は町内各種団体の活動の場として、町民会館部分については芸術文化の拠点として舞台芸術の中でも特に音楽を志向するホールとして計画し、次代を担う子どもたちの人間らしい感性を育てるとともに、音楽の芽生えを促します。さらに、新しい文化風士の創出と住民相互の連帯感の醸成に努め、佐敷町民の心のよりどころ、教育文化活動の拠点としての整備に全力を尽してまいります。
三.連帯のまちづくり
すべての町民が明るく笑顔で安心して住めるまちづくりは、町政の最大の課題であり、今後とも努力目標であります。将来とも高齢化や核家族化などの社会環境の変化の中で、ますます福祉需要は高まり、多様化が予想されます。このことを踏まえ、町民の相互扶助の精神をもとに、ボランティア活動の促進やコミュニティ活動などを通じた地域福祉の拡充強化に努め、「福祉の風士づくり」をめざします。また、諸制度にもとづいた施策とともに、町民のニーズに対応したきめ細かな福祉施策を推進してまいります。
子どもたちの健やかな成長を願い、町内各地に建設してまいりました児童公園は、町内はもとより近隣市町村からの利用者も多く大変喜ばれているとともに、高い評価を受けております。本年度は馬天児童公園の新設とつきしろ児童公園の改修をいたしましたが、引き続き新年度もつきしろ児童公園の改修工事を行なうとともに、遊び場としての安全確保に努めてまいります。
平成2年度から3年度にかけて第1保育所ならびに第2保育所の大規模改修工事を行ないましたので、施設の環境改善と園児の安全確保が図れたものと確信いたしております。
新年度は、幼稚園園舎の高窓等の改修を行ない、風通しを良くし、園児教育環境の改善に努めてまいります。さらに、放課後児童対策事業を実施し、昼間保護者のいない家庭の小学校低学年児童の育成・指導を行ない、児童の健全育成の向上を図ってまいりたいと考えております。
高齢化、長寿社会を迎え、老人福祉のための事業はますます重要になってきております。本町では、平成2年度と3年度にわたって県指定による「高齢者の生き甲斐と健康づくり事業」を実施してまいりましたが、関係者の方々から大変喜ばれ、かつ高い評価を受けているところであります。今後とも、より充実した事業内容にすべく取り組んでまいりたいと考えておリます。本年度から実施いたしました在宅老人短期保護事業や、老人の日常生活の援護、居宅訪問事業などに加え、新年度は、在宅介護支援事業を実施し、在宅福祉の向上に努めてまいります。さらに新年度に、法人組織による老人ホームの建設が町内で予定されておりますので、なお一層の老人福祉活動の推進につながるものと意を強くいたしております。
母子福祉につきましては、できるだけ経済自立が促進されるよう援護にあたり、心身障害者福祉につきましては、障害者が安定した生活が送れ、生き甲斐をもって社会参加ができるようきめ細かな施策を展開いたしてまいります。福祉施策の充実と合わせ、ボランティァの育咸など、町民一人ひとりの温かい援助と深い理解によって、安心して生活ができる社会の確立をめざします。
重度身体障害者の医療費の一部助成と日常生活の便宜を図るための生活用具の給付は、新年度も行なってまいります。
老後の安定した生活の実現のために、新年度も国民年金制度の周知徹底を図り、無年金者の発生防止に努めます。
国民健康保険事業につきましては、新年度から実施される国保安定化事業と併せて国保税の自主納付を促進し、財源の安定化を図るとともに、医療費の増大を抑制するため、町民の健康づくり運動への参加促進を図ってまいります。
住みよい環境の中で、快適で立化的な生活を営むことは、町民すべての願いであります。行政にとりましても、このことは重要な課題であり使命であると認識しております。
四.快適なまちづくり
これまで地域住民の要望に沿って、あるいはそれぞれの地域の地形や立地特性を生かしながら、道路、排水路、スポーツ公園、広場、集会施設や街灯などを計画的に整備し、地域生活環境の整備改善に努めてまいりました。
人口の増加に伴い、徐々に都市的な様相へと移行する中で、町民生活の変化などによって町民の要望も多様化しつつあります。
新年度はこれらの課題を踏まえ、また、市街化区域におけるスプロール的な市街地の拡大を防止し、合理的な土地利用を確立するため、土地区画整理計画を検討してまいりたいと考えております。
自然環境を保全し、快適な居住環境づくりを進めるためには下水道整備は不可欠であります。そこで新年度は、下水道整備計画に向けての基本構想を策定いたします。
道路や排水路の整備につきましては、それぞれの整備計画にもとづき事業を実施してまいりました。新年度においても佐敷・仲伊保線をはじめ、手登根・伊原線、佐敷・海岸線の改良、新開地区排水路の改修、さらに農村総合整備モデル事業による各字の集落道、集落排水施設の整備を促進し、住むことに喜びが感じられるまちづくりを推進してまいります。
年々増大する廃棄物の処理対策は、快適な生活環境づくりのうえで大変重要であります。現在、広域行政組合のもとで処理体制が確立されておりますが、町婦人会におけるゴミの減量化と資源の有効利用の面からの リサイクル運動は、時宜を得た活動と評価しております。リサイクル運動はこれまで多大な成果を収められており、誠に喜ばしく、そのご労苦に対して心から感謝と敬意を表しますとともに、生ゴミ対策を含めその支援策について検討してまいりたいと考えております。
本年度から取り組んでおります全町植物園化構想につきましては、現在推進恊議会において審議検討中であり、その結果を基に今後実施計画を策定し、全町が花と緑のネットワークで包まれるようなまちづくりに努めてまいります。
自らの地域に誇りと愛着を持って活動できるような地域社会の実現をめざす目的で創設された「ふるさと創生事業」につきましては、審議会の答申にもとづき地域づくり事業の一つとして、新年度から実施いたします。
年々進む車社会の中にあって、交通事故防止対策もまちづくり事業の重要課題の一つであります。これまで町交通安全推進協議会を中心に、各種団体との連携のもと町民一人ひとりに対する交通安全思想の高揚に努めてまいりましたが、今後とも交通道徳の周知徹底を図り、併せて交通安全施設の整備に力を入れ交通事故の未然防止に努めてまいります。
水道事業につきましては、年々増大する水事情に対応するため、小口径管や老朽給配水管、高台対策等、町の水道整備計画にもとづいて順坎整備を行ない、すべての町民が等しく水の恩恵に浴せるよう最大の努力をいたしてまいります。
おわりに
平成4年度の町政執行の基本方針ならびに施策の大綱について申し述べてまいりましたが、地方財政は依然として厳しい状況下にあり、諸事業の推進にあたっては困難が伴うものと予測されるところであります。 しかし、町民生活にかかわる事業については、努力を重ねて取り組む決意であります。
本町の文化遺産の継承発展、創造的文化活動へとつながる施設として、また、地域文化の掘り起こしや中央の文化に触れる機会を設けるために、新年度は、文化センターの建設に向け取り組んでまいります。
21世紀を展望し、本町活性化の方策として位置づけられる佐敷シーガーデン構想は、現在、県において漁業補償調査や干潟環境保全検討調査等の作業が進められており、新年度は具体的な事業化に向けた事業計画の調査を実施する考えであります。
情報化社会への対応と、簡素にして効率的な行政の運営に向けて取り組んでまいりました総合行政情報システムは、新年度から全面開始となり、なお上層の住民サービスの向上を図ってまいります。
まちづくりの5大ビジョンの一つである全町植物園化構想は、現在推進恊議会において審議検討中であり、また、ふるさと創生事業については、審議会答申を踏まえ、さらにまちづくり特別対策事業ともタイアップして新年度から実施してまいりたいと考えております。
「沖縄の道」構想は、本年度から事業実施がスタートし、新年度から本町内での自転車道工事着手が予定されております。沖縄厚生年金休暇センターの活発な事業展開ともあいまって本町の活性化に大きくはずみがつくものと期待いたしております。
町政を取り巻く環境、町内外の動向に適切に対応できる執行体制の強化は不可欠であり、このような実情を踏まえ、新年度は職員定数の改増と職員の研修による資質の向上に努めてまいります。
また、新年度は復帰20周年記念事業の一環として、宮崎県高千穗町ならびに日之影町への親善訪問団の派遣を計画しております。両町は、戦時中本町の児童生徒が学童疎開で物心両面から大変お世話になったところであり、佐敷町の文化や伝統芸能の数々をご披露申し上げ、感謝の気持ちを伝え旧交を温めるとともに、今後の友好親善の足掛りにしたいと考えております。
我が国は世界で唯一の被爆国であり、沖縄県民は先の大戦で国内で唯一悲惨な地上戦を体験いたしました。この経緯をかんがみ新年度には、過去の過ちを繰り返すことなく、国連憲章を遵守し世界の恒久平和の創出に努めるため「平和のまち」宣言を行なってまいります。
新年度も行財政の健全かつ効率的運営に努め、諸施策を執行してまいります。以上、町民生活の向上とさらなる発展、町勢の進展を図るにあたっての私の所信を表明し、諸議案を提出させていただきます。町民各位、議会議員各位のご理解とご協力をあらためてお願い申し上げます。
平成4年3月12日
佐敷町長 山城時正