なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

佐敷金杜

製糖期に入ってなかば以上を過ぎたが、サトウキビ畑には常に働く人を見かける。雨模様であろうが、陽が照りつけていようが、農家の方々は畑に出、作業を続ける。日曜などの休日ともなると、家族総出といったような風景もみられる。幼な子が、昼食時に大人にまじっていたりする姿などに出会うと、実にさわやかな気持ちにさせられる。
ところで、このサトウキビだが、台風や天候不順で今回は作がらが悪く、農家の皆さんは大きな傷手を受けている。見た目にも細く、背も低いサトウキビが町内のそこここでみられる。例年とくらべると3から4パーセントは減っている、との話も聞く。
いうまでもなく、サトウキビ作は本町の基幹産業であり、ほとんどの農業者の方が手がけている。現在、土地改良などの生産基盤の整備が大幅に進み、サトウキビ作にとっても大きな力となっているが、今後さらなる生産向上への研究、取り組みの努力は必要である。
いま本町でも、農業者の高齢化が進んでいる。生産基盤の整備は進んでも、肝心の生産にあたる人材がいないのでは、仏をつくって魂入れずとなってしまう。農業後継者の育成も、今後の大きな課題である。
天候、気候に大きく左右されるのは農業の宿命ともいえるものであるが、後継者がなく農業がすたれるのは問題である。魅力ある産業としての農業の復活に努力すべき時である。  (助役)

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大分類 テキスト
資料コード 008444
内容コード G000000619-0007
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第176号(1992年3月)
ページ 3
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1992/03/10
公開日 2023/11/29