木々の葉が秋一色に彩られた古都京都を皮切りに、水の都滋賀県での沖縄県婦人国内外研修事業実行委員会主催の婦人のつどい研修は、参加者に大きな課題を与えたものとなっていた。研修の目的は、「婦人の地位向上を図り、地博発展に寄与する婦人リーダーを育成する」ことにある。今回(11月11日~15日)が12回目の実施で、京都府婦人会との交流、交歓、滋賀県婦人センターの見学、琵琶湖環境条例の学習等が主な内容であった。
琵琶湖の汚染問題については、昭和50年代にクローズアップされ、環境問題講演会やマスコミ等を通して警告が発せられていた。滋賀県婦人会の合成洗剤追放運動もその頃から始められていた。
本町婦人会でも、滋賀県婦人会の合成洗剤追放運動がキッカケとなって、「健康を守り、環境を守るために」と、昭和57年頃の役員が廃油利用による石けんの手作りを会活動の中に、初めて取り入れた経緯がある。今回、一度訪ねてみたいと思っていた琵琶湖の「環境条例学習」が研修日程の中に入っていたこともあって、自費参加した。
紙幅の都合で京都府婦人会との交流、交歓会については省せていただき、最も関心事だった琵琶湖の汚染防止に取り組む婦人団体の活動状況と、活動の拠点となっている婦人センターについて見聞してきたことをまとめてみた。
滋賀県には、5年前に開設された県立婦人センターがある。センターの事業内容は、調査研究、情報提供、研修、講座の開催、相談、交流会、交歓の場の提供等である。施設には500人収容の大ホールがあり、収納が簡単な電動イス付きで、イスの高さを低くして座り心地を良くしていた。「イスをたたむと大広間となり、2倍の利用価値がある」とのことであった。
研修室、相談室、保育室、図書室、資料室が設けられており、図書室には、北海道から沖縄まで、各自治体が発行する広報紙がズラッと並べられていた。沖縄県の婦人誌「あい」を見つけた研修生の一人が、「あった!!」と大声を張り上げていたのが印象的であった。
センター活動で光っていたのは、ボランティア活動だった。ボランティア講座を修了した30人からなる「ひまわり会」のメンバーがローテーションを組み、センターの見学者案内役から、子育て中でも講座や研修が受けられるよう保育もボランティアが一手に引き受けているとのことであった。センターは、これ等ボランティアの支えによってうまく運営されていることを強く感じた。
佐敷町は、平成5年を目途に理想的な文化センター(仮称)が建設される運びとなっているが、同施設にボランティアとしてどうかかわっていくべきかを考えるよい機会ともなった。また、婦人センターの同敷地内に滋賀県立婦人就業援助センターや滋賀県婦人会館が併設されていてワープロや簿記などの各種講習会が行なわれていた。
このように、婦人の活動の拠点が複合的に建設されているのを目のあたりに見て、研修生はため息のつき通しであった。沖縄県にはまだ婦人センターがなく、早期建設を望む声が当然のことながら研修生の間から多くあがっていた。 (つづく)