佐敷上城(ウィーグシク)といっても馴みのない若い人達も少なくないと思う。郷土の誇る英傑、琉球三山を統一し琉球王朝の始祖となった尚巴志の居住した屋敷跡とされるのが、佐敷上城である。
さて、この上城がこのほど、共同石油(株)の地域奉仕キャンペーンの“レッツクリーン運動“の対象となり、一大清掃が実施された。関係者はもとより多くの町民が参加し、徹底した清掃作業が行なわれた。町の文化財であり、町民の憩いの場でもある上城、つきしろの宮は多くの人々の手できれいにされ、磨き上げられていた。
同作戦に町民の一人として参加して感じたことであるが、公徳心の高揚を図る必要性を痛感させられた。雑草の中にポイ捨てされた空カン、ビン、弁当の食ベカスなどの多さにあらためて驚かされた。いまや、ゴミ問題は大きな社会問題、地球的課題となっているが、ポイ捨ての現状をみたらそれ以前の問題であることを思い知らされた。
後は野となれ山となれ式の人間性のなさが感じられ、また、公共の場を美しく、きれいにという社会牲のなさがみえて情けなくなってしまった。公共の場の美化は、利用する人々一人ひとりの心がけ次第である。ゴミの持ち帰りの奨励しかり、汚さない、捨てないという一人ひとりの実践がいまこそ必要と感じられた。文化財などは、いってみればみんなの財産である。美しく、きれいに保ってこそその価値は高まるはずである。 (町長)