先般、陶芸窯の火入れ式に出席する機会を得た。窯は、高齢者の健康づくりと生き甲斐づくりの事業に供するものである。ガス窯で、約1200度の熱で陶器を焼きしめるのに使用する。
火入れ式には、町老人クラブ連合会の役員の方々も多数出席し、この日を祝い、本格的な陶芸教室のスタートを喜んでおられた。すでに陶芸教室は始まっており、専門家の指導で茶腕や灰皿などの作品が作られ、窯入れを待つばかりとなっている。
高齢化社会ということばが使われはじめてから久しいが、わが沖縄はそれ以前から高齢者の多いことで全国に名を知らしめていた。沖縄県の場合、高齢化社会と表現するより、長寿社会といった方が良いような気がする。なぜなら、元気なお年寄りがたくさんいらっしゃるからである。
軽スポーツにしても、陶芸教室のような趣味の講座などにしても、聞いてビックリするような年齢の大先輩方がおられる。わが佐敷町は、お年寄りが健康な町、長寿町としても評価を受けているが、元気なお年寄りの姿がまさにそのことを証明してくれている。
陶芸窯の火入れ式に参列された町老ク連の役員の皆さんの目は輝やいていたように感じたのは私だけではなかろう。今後への意欲のあらわれではないだろうか。趣味を広げ、何事にも挑戦していくところに老化はないはずである。前向きな先輩方の姿に心打たれた。 (町長)