巣立ちの季節を迎えた。さまざまな形で、新しい世界、異なった社会に入っていく人の多い月である。入園、人学、卒業、進学、就職、異動や転勤という、いろいろな形がある。
多くの人たちは、希望と夢に胸を大きくふくらませ、巣立ちの時を待っているものと思う。巣立ちは、誰もが経験し、通って来た道である。先に道を進んだ者は、後進に数多くのアドバイスができるはずである。
心ならずも当初の意志、希望とは別の巣立ちを迎える人たちもいるはずだ。多くの先輩たちの経験談などは、それらの人たちにとって、かけがえのない助言となっていくのではなかろうか。失敗談、苦労談、もちろん成功談これよし。
ちょっとのキッカケが大きい成果を生むことは多い。巣立ちゆく人たちとの対話の機会を持とう。自分をふりかえって、先輩方のひとことに救われた経験を持つ人も多いかと思う。
新しい世界、異なった社会に入っていく人々は、夢と希望にあふれる反面多くの不安をいだいている。先輩の話は、例えたわいない話であっても、これからの人たちにとっては何か得るところがあるはずである。堅苦しい話や助言よりも、むしろ世間話程度の方が受け入れられやすいものだ。
親として、先輩として、巣立ちゆく人々に話しかけたい。人間なにが転機になるかわからないのだから、この際、多くの機会をとらえて対話を。(収入役)