教育に用いられるコンピュータ
佐敷町教育長 宮城繁
今回は、私が最も関心のあったアフイマヌ小学校のCAI教育について触れてみたいと思います。CAIとは、コンピュータ支援学習(コンピュータ・アシスティド・インストラクション)の略称です。CAI教育については、佐敷町教育委員会が早急に実施したい事業の一つであります。
本町議会においても、2、3年前から、一部議員から、1日も早く実施するよう叱咤激励を受けているところです。 私をアフイマヌ小学校まで案内してもらった山城マーガレットさんによると、彼女が校長時代にはCAI教育は未だ実施されてなかったようで、大へん興味深くいろいろと質問をされていました。彼女が教職を退任されてから、それ程長くはないと思われますが、如何に学校教育が、日進月歩で進んでいるか実感致しました。
それでは、ドリーン先生からのアフイマヌ小学校のコンピュータ教育を紹介したいと思います。
「コンピュータ教育の目的は、急変するコンピュータとハイテクの世界に子供達を順応させ、コンピュータとの関り方の技術とコンピュータを人間の学習と仕事に役立てる方法を開発するためにあるのです。
私達の学校のコンピュータ実験室には、30台のコンピュータが備えつけてあります。15台は、タンディ・コンピュータ(ブランド名)で、残りは、アップル・コンピュータ(ブランド名)です。タンディ・コンピュータは、コンピュータ支援学習に使用されています。子供達は皆、別々のコンピュータで、それぞれ個別化されたプログラムで勉強します。このプログラムは、操作技術の向上と算数や言語教科に使用されます。
コンピュータの先生は、アップル・コンピュータを使ってコンピュータ教育の指導に当ります。このコンピュータ教育では、(1)コンピュータ・アウエアネス、(2)コンピュータ・プログラミング、そして(3)ワープロ機能を教えます。子供達は、自分の学級から、物語、詩、研究課題等の宿題をもって来て、コンピュータでやります。
幼稚園児から6年生までのすべての学年の子供達は、週1回コンピュータ・ラポに出席します(註:米国では、幼稚園は小学校にあります)。幼稚園児から3年生までの児童は、30分間、4年生からら6年生までの児童は、60分間ラポで勉強します。コンピュータ校時には、クラスの半数は、タンディ・コンピュータで勉強し、残りの半数はアップル・コンピュータで勉強します。そして、同校時の後半は、お互いに場所の交替を行ないます。
アフイマヌ小学校のCAI教育については以上ですが、日本においても、学校教育にコンピュータが導入されて久しくなります。これは、児童生徒が将来情報化社会に対応できるよう、今からコンピュータに親しみ慣れさせるためです。ちなみに、日本の学校教育におけるコンピュータの普及率を申し上げますと、小学校で21%、中学校で45%、高校で96%であります。本県の普及率は、全国平均よりかなり低く、一層の努力が必要かと思われます。
日本政府は、初等中等教育におけるコンピュータ教育拡充のために、本年度は平成元年度より、51億4000万円増額して、73億1700万円の予算計上をしています。これは、文部省が如何にコンピュータ教育を重視しているかが伺えます。そして、コンピュータ教育は、
新学習指導要領の実施と共にいろいろの教科の中で教える運びとなっています。
佐敷町も、これに乗り遅れないようにと着々と準備を進めて参りました。中学校においては、校舎の増改築のとき、CAI教室を設計に入れました。先生方には、何回か研修に出席してもらいました。コンピュータ教育への投資は、新しい時代への人づくりであり、人材育成であります(つづく)