サトウキビ畑の中に文字通り忽然という雰囲気で存在しているのが、このティーチバナ岩です。高さ5・6メートル、周囲はおよそ20メートルの石灰岩で、ガジュマルなどさまざまな植物がはえており、遠目では小さな森のようです。
岩の下には古い人骨もみられ、伝説ではこれは約600年前、知名之比屋が佐敷小按司に敗れた時のものといわれています。しかし、屋比久の上屋比久門中や外間の志茂門中が毎年、清明節にここを拝んでいたことや、またそれ以外の人々も拝んでいることから何らかの聖地とも考えられます。風葬説や無縁仏という説もあります。
ティーチバナは一花岩とも書きあらわされますが、本来はティーチバナリ石(1つ離れている石)なのです。ティーチバナのある地は、小字名も一花原となっています。仲伊保集落センター(公民館)から東の方角に見えるティーチバナは、濃い緑につつまれ、周辺を威圧しているかのようです。