なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい 57 生年祝(干支祝)あれこれ

先頃沖縄の慣例である今年の干支の生年祝の珍しい案内状が届いた。時刻が分刻みの四時四十五分とあるので、歩いて行っても間に合う時間だったが、一分一秒も遅れてはと、通りがかりのタクシーに手を挙げて定刻前に会場に着いた。案向状の時刻とは裏腹に定刻を三十分も過ぎての開会だった。まだ沖縄タイムが現存していた。
沖縄では本土と翼なった、生まれた年から十三年毎に回って来る年の、干支の生年祝の習俗がある。
十三歳、二十五歳、三十七歳、四十九歳、六十一歳、七十三歳、八十五歳、九十七歳、戦前は女の子だけ十三歳の祝を盛大に祝ったとのこと。女子は生家での生年祝は、これが最後になるかも知れない、二十五歳の祝は嫁ぎ先になるからとのことからだったらしい。
戦前は人生五十年といって、経済に余裕のある家庭では、四十九歳から祝ったとのことである。
現在は女は八十歳、男は七十五歳の平均寿命を超えて、世界一の長寿県になっている。六十一歳、七十三歳はまだ若いと生年祝を敬遠する方もあるとのこと。
本土でも六十一歳は干支が一回りするので、還暦と称して、本卦がえり(生まれた年の干支にかえる)とのことを言うとある。本土では干支祝はなく、還暦のつぎの七十歳の古稀祝は、昔支邪(現、中国)の杜甫の詩の「人生七十歳古来稀なり」が起源だとのこと。七十七歳の喜寿、八十歳の仐寿、八十八歳の米寿、九十歳の卆寿。九十九歳の白寿は、百歳の百の字の、上の横一の一画を徐くと白の字になるとのこじつけが、語源だということだが、いかがなものでしょうか。(平良亀順)

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大分類 テキスト
資料コード 008441
内容コード G000000572-0011
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第140号(1989年3月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1989/03/10
公開日 2023/11/21