気候、風土、歴史そして文化の違った北海道へ-。2月2日早朝、僕達「沖縄県・北海道 青少年ふれあいの翼」の団員一行は、見聞を広めるため那覇空港を出発しました。
雪、そして氷点下の世界を体験するのは初めてとあって、今までにない希望をもって臨んだこの研修から、南国沖縄では体験できない、様々な事を学びました。
目を閉じて夢の北の地を想っていると、だんだんとあの北海道が、飛行機の窓から姿を見せはじめました。
わあー、雪だあ、と窓からのぞくと、そこには銀世界の雄大な大地があり、家も、木も、道路も、畑も皆、真っ白という白銀の世界の美しさに、とても感動しました。あれが雪なんだ!早くさわってみたいなあ、と気持ちをはずませ空港から飛び出ました。駐車場に積ったわずかな雪を、手に取り足で踏んづけて初めて、雪というものが非常に冷たく、ふわふわと軽いものなんだと、実感しました。
満足に雪に触れる間もなく、早速バスに乗り込み札幌市内へ向かう間、僕達は初めて見る真っ白な雪にずっと見とれていました。そしてその夜には、道主催の歓迎レセプションで、道知事さんをはじめ、皆さんにとても歓迎してもらいました。
「ふれあいの翼」二日目には、皆心待ちにしていた体験スキーが、今回の訪問でお世話になった洞爺村で行われました。そこは、洞爺湖という湖をとり囲んだ自然豊かな村で、スキーなどは、そこにある洞爺自然の家で体験しました。
スキー板をはき、右、左、右、左と、ふわふわの雪の上を一歩一歩前進するのにも初めは大変でしたが、慣れてくるとちょっとした坂は、だんだんと滑れるまでになっていました。少しでも滑れるようになるともう得意になって、少し長い距離でも大丈夫だろうと、挑戦しました。力強く地面をけって滑りだすと、スピードも高まり、おお、これはいける!と思ったのですが、うまく止まり方を知らず、どしっ!と、雪の上に大きな穴を作る始末でした。またこの日は、スキーのほかに、ソリやタイヤのチューブなどを利用し山の傾斜を滑る、尻すべりも体験しました。この遊びはだれでも簡単にできるので、みんなでどれだけ滑れるかと競走しました。勢いよくソリと一体となって滑ると、どんどん飛びちる粉雪が、顔に当たって冷たいのですが、今回、スキーでは味わえなかった雪遊びでの速さの楽しさを実感し、とても楽しく過ごせました。
それから、三日目から四日目にかけて、民泊でお世話になり、羊の肉のジンギスカンを食べ、夜には、たまたま街まで下りてきたキタキツネを見ることもできました。三日目には、洞爺小学校での交流会の後、シーサーの雪像を造って、五日目には、雪まつり見学で、氷の世界を見てまわりました。
雪、そして氷点下の世界の体験と、何もかもが沖縄では体験できない事を、数多くこの「青少年ふれあいの翼」を通して体験でき、とても良かったと思っています。また、北国の文化にふれ、数多くの友達をつくり、北海道と沖縄とでは、2200キロと遠いけれど、気持ち的に友情の距離は縮まったように感じました。そして、北海道の友達だけでなく、沖縄のあちこちに「ふれあいの翼」の団員の友達もでき、二十一世紀に大きな夢をもつ僕たちにとって、お互い、力強い心の支えができたと思います。
「青少年ふれあいの翼」第一期生として、冬の北海道を訪問し、教科書の上では学べない数多くの事を体験し学びましたが、これを機に、その他の翼や船にも参加して、様々な地域の歴史や文化にふれ、さらに多くの友達をつくれたらいいと思っています。