方言名 ヤナブまたはヤラブ。オトギリソウ科。高さ七から十ニメートル位の常緑樹。樹皮は厚く亀裂する。葉は対生で硬く、光沢がある。支脈は細かく平行に走り、ゴムノキの葉に似る。
花は六月から七月頃つける。白色で芳香がある。核果は球形で径三センチ位。
十一月から十二月頃熟する。果肉は熟すると甘い。中にコルク質で保護された種子がある。材は家具などの高級用材として、センダンと並んで珍重される。
海岸近くの防潮林、屋敷林、御嶽林として自生、あるいは植栽されているのが多い。防潮、防風、家具などの用材のほかに、油を多量に含む種子は、昔、灯火に用いたという。沖縄各地、台湾、ポリネシア、マダガスカルなど分布域は広い。