なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

燃えてつかんだ強者の王冠 第4回全日本トライアスロン宮古島大会に参加して

佐敷町役場 高江洲順達

興奮のるつぼと化した競技場へ入って僕の足は軽快になった。ゴールは逃げずに待っていてくれた。
横断幕をかかげた役場の同僚達、そして妻が並走しスポットライトを浴びてストロングマンのテープを切った。万歳の歓呼と同時に、沿道でご声援をくださった宮古の人々そして大会を陰で支えてくれたボランティアのみなさんへの感謝の念がわいた。
午前8時の水泳のスタートから始まり自転車、マラソンと続きゴールは晩の7時41分5秒と丸一日宮古路をかけぬけた。水泳は波静かな与那覇の海を魚のように気持ちよく泳ぎ、自転車は、頬に春風を受けて疾駆し、マラソンは一歩一歩確かめるように大地をかけた。
長丁場のレースのため、食べ物飲み物には細心の注意を払った。特に各エイドステーションで必ず塩とスポーツ飲料とバナナをとり、足の痙攣と脱水症状を起こさぬために気をつけた。自転車の二周目の80㎞地点で初めて疲れを感じ、大腿部に痙攣のきざしが起きた。
この時リタイアかなと弱気になったが、軽いギアにチェンジすることで難局をのりきった。自転車は人生そのものだと思った。苦しさのあとに楽があり、楽のあとには苦しみが待っているということを自転車で坂を登ったり、下ったりしているうちに体得した。
マラソンで全く足の故障もなかったのは幸運であった。常日ごろの練習がいかに大切であるかがわかった。一日10㎞のジョギングのノルマの達成。これなくして今日のトライアスロンの完走はなかったものと信じている。過酷なスポーツといわれるトライアスロンも踏破するジョギングを一生続けていきたいものだと思った。

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大分類 テキスト
資料コード 008441
内容コード G000000562-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第130号(1988年5月)
ページ 6
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1988/05/10
公開日 2023/11/17