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農家の人たちの苦労を学んで 馬天小六年生キビ刈り・黒糖づくりで実感

好天に恵まれた2月13日午後、馬天小学校の6年生たちが、初めて黒糖づくりを学びました。
この日、現代っ子たちに黒糖づくりの手ほどきをしたのは、この道58年、にお住まいの城間芳英さん(74歳)。得意の技術を喜んで披露してくれました。
黒糖づくりは、まずサトウキビの刈り取りからスタート。甘い黒糖を食べたい一心で、
初めてのキビ刈りにみな真剣に取り組んでいました。 運んできたキビ300キロを搾汁。大なべで四時間近く煮込みました。その間、目を輝かし、まきをくべるなど、子供たちは懸命に手伝っていました。
やがて、8リットルの汁が260度の温度にフツフツと沸騰、水分が抜けたあと、あまーい香りを放ち、トロッーとした水あめ状の黒糖ができました。子供たちは、固まるのを待ちかねて指ですくい取ってなめなめ、「おいしいー」を連発していました。
「黒糖のできる工程がよく分かって楽しかった」「この体験を通して、農家の人たちや黒糖をつくる人たちの苦労を初めて知った」など、馬天小学校の六年生たちは、初めて挑戦したキビ刈り、黒糖づくりの新鮮な感動を、作文に綴っていました。

体験記集
初めての黒砂糖づくり 六年 川崎博文
ぼくは、二年生の時まで砂糖は最初から白い物だと思っていました。
そして、今年の、2月13日初めて黒砂糖作りをしました。機械を見るのも初めてで、「
へぇーこれがねーちよっと無理じゃないかなー。」と思ったけど、ローラーみたいな物でつぶすと汁がどんどん出てきて、見ているととてもおもしろかったです。
そして、畑にさとうきびを刈りに行き数十本ぐらい刈り取って、汁をしぼり、かまに入れて、なんと四時間も煮つめて、待っているあいだは、やることがなく、とてもひまでした。
そして、黒砂糖ができて、食べてみるととてもあまくておいしかったです。お店で買った黒砂糖よりも、ずって食べる楽しみがありました。でも、これを作って売る農家だったらつらい仕事だろうなあと思います。毎日せっせと働いても1本5円ぐらいなので、これでもうけようとしても、なかなかできないことだと思います。
砂糖を作ったり刈ったり食べたりして楽しめたし、砂糖作りを通して、農家の大変な苦労や、作り方が、よく分かりました。
砂糖きびを刈って、汁をしぼり、そして四時間ぐらい煮る。とても時間がかかったけどとても楽しかったです。もう二度とこんな経験はできないと思うけど、やっぱりもう1度作りたいなあと思いました。

難しかった黒砂糖づくり 6年 外間 裕子
2月13日、私達六年生は、初めて黒糖作りをしました。
作る前は、本当にさとうきびから汁をしぼって、たいて、私達に黒砂糖が作れるのでしょうか?ちょっと信じられない気持ちでした 始めに、男子やおじさん、先生が刈りとったさとうきびの汁をしぼりました。見た目は簡単そうでしたが、やってみるとなかなか難しかったです。また、一本のさとうきびから出てくる汁の量が多いことにもびっくりしました。
次は、取った汁をたきました。おじさんにどれくらいたくのか聞くと、「四時間くらいだな」と言われ、私もみんなもとてもびっくりしました。
そして、一時間ぐらいたきました。でも、なかなかとろとろしません。二時間たいても同じです。私達は本当に黒砂糖かできるのか心配になりました。
でも、3時間ぐらいたくとだんだん砂糖らしく黒く色づいてきました。そして、やっとできあがりました。みんな、キャラメルのようにとろっとした黒砂糖をなめるたび「おいしい!」とか「あま~い」というような声を出していました。本当にとてもおいしかったです。
この黒砂糖作りで、私は今まで一度もしたことのない体験をたくさんしました。自分達で体験してみて、農家の人達や黒砂糖を作る人達の苦労を初めて知りました。
そしてこの時、いつもいやがってやっていた生産活動をしていてよかったなと思いました。
また、黒砂糖作りはなかなか体験できないものです。それをしてくれたPTAのおじさんや先生方に改めて感謝しなければと思いました。
私は、この時に作った黒砂糖の味をいつまでも忘れません。

黒糖づくりを体験して 6年 安里 順子

黒糖作りの日は、とてもよい天気で、6年生のみんなは、お昼をすませてから学校に集合しました。
男子が刈ってきたきびを、機械にかけて汁をしぼり、大きななべで煮つめました。煙がたくさん出て、アクをすくう時、けむくて目やのどが痛くなりながらも、みんなで交互にすくっていったり、おじさんや先生の言うとおりに火に木をくべたりして、2時ごろからずっと煮続けていました。
5時を過ぎたころから、あまい香りがしてきました。なべをのぞいたらずいぶん蒸発して、とろとろになっていました。それをみんなのボールに分けて、水で冷やします。なめてみると、あまみが口に広がり、とてもおいしかったです。固まった黒糖は、丸めてあめにして、持って帰りました。
こういう昔ながらの黒糖作りは、めったに体験できないことで、砂糖を作る工程がよく分かり、ためになりました。これからもこの行事を続けて、なるべくたくさんの人に、砂糖作りのことを分かってもらいたいと思います。また、このような機会を大切にしていこうと、この体験で思いました。

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大分類 テキスト
資料コード 008440
内容コード G000000558-0011
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第128号(1988年3月)
ページ 6
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1988/03/10
公開日 2023/11/17