なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい46 下風

「くしゆっくい」の大衆の座で尾籠な話で恐れ入りますので、まず、題名を“下風”とした。
『広辞林』によると、下風とは「かざしも」「おなら」「尻」とある。下風の音には、「パー」に「ピー」「プー」の三種類があるといわれている。
「パー」と「プー」は音高く、人畜に無害の下風。「ピー」は音は低いが、他人に大いに迷惑をかけるとされている。
皆さんが毎日出す生理現象も所と場合によっては、その人の一生を左右する大事件にもなる。
むかし、久高島に白樽という長者が住んでいた。子女の思樽は巫女になったが、その美貌が王様に見染められ首里城に巫女として奉仕するようになった。もの静かで何事にも控え目、いかにも女らしい立ち居振る舞いであった。その上、人並み以上に美しいので、王様は御殿の奥に招き、夫人としたという。
周囲のお妾たちは、これをねたみ白い眼で見るばかりであった。
ある日、思樽があやまっておならを放ってしまった。思樽を辱しめるのはこの時とばかり、皆はあざけり笑った。思樽は恥ずかしくなって、ついに王様からおひまをいただいて久高島に帰ったとのこと。
次はアメリカでの話。ある富豪が高位、高官を招いて大邸宅でパーティーを開いた。夫人と下男が一緒に接持に当っていた。夫人がその時、思わす一発下風を放ってしまった。間髪をいれず下男が謝まった。「失礼しました」。夫人は恥をかかずにすんだ。
その後、下男は夫人から大へんかわいがられて出世したとのことである。(平良亀順)

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大分類 テキスト
資料コード 008440
内容コード G000000557-0010
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第127号(1988年2月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1988/02/10
公開日 2023/11/17