第一回佐敷町少年の主張大会 最優秀賞
「二人に一人は入っている」
私がこの調査結果を見たのはごく最近の新聞です。第二の学校といわれる塾に、二人に
一人の割合で入籍しているのです。
では、何のために塾に行くのでしょうか。その理由はさまざまだと思います。親に無理やり入れられたり、受験への不安をまぎらわせるためだったり、本当に勉強が好きで入っている人など、そのほかにもいろんな理由があるでしょう。
私の友だちも塾に入っています。深夜授業の次の日なんてとても眠そうな目をして登校してきます。すごいなあと感心はするのですけど、学校の授業でいねむりをするのはどうかと私は思います。塾とは学校の勉強の延長のようなものだし、本当の学校の授業で眠ていては何もならないのではないでしょうか。塾で勉強しているからいいやという気持ちではダメだと思います。
私は現在、塾に入っていません。だから塾がどういうものかはっきりとは分かりませんが、私の考えている塾とは、学校の授業で聞きそびれた質問をするとか、何度やってもできない問題をもう一度やってみるとか、教科書以外の視野を広げるなどをする所で、学校があってはじめて成り立つものだと思います。
今、周りの塾生を見ていると、分かりやすいだの全然分からないだの、いろんな意見がでてきます。塾に入ってぐんと成績の上がった人、まったく変化のない人、さまざまです。このような塾生を見ている先仕方はどう思うのでしょうか。
「親に強制的にすすめられているのなら行かなくていい」
これは私の担任の先生がいっていらした言葉です。私も同意見です。
無理やり入れられて、やる気もないまま勉強させてどうして成績が上がるでしょうか。ましてや深夜授業などを受けて体をこわしてしまえば、それこそ逆効果というものです。
親が自分の子供の成績を上げたい気持ちは分かります。でも少し考えてほしいのです。
やる気がない人に強制しても良い結果は得られないでしょう。反ぱつしてよけい悪くなることも考えられます。私だって、勉強、勉強と何度もいわれると嫌になってしまいます。
逆に、自分から勉強意欲がわいてくると、勉強もどんどん楽しくなってきます。それに塾には他の学校の生徒もいますし、学校のクラスとは違う雰囲気の中で勉強できるといういい点もあります。そのような仲間の中で難しいと思っていた問題を解いたり、学習面以外のつきあいも生まれ、楽しい対人関係もつくれるのではないでしょうか。
塾に入って必ずしも成績が上がるということはないはずです。その意味では、家庭学習ということが大切になってきます。塾に行かない私と同類の人は、家に帰ってからの自由時間をどう使うかによって成績の差がでてくると思います。勉強とはテスト前にあわててするのではなく、計画を立て毎日それを実行するものです。そうすれば、塾生と同じくらいの
学力はつくはずです。
塾にもいろいろな塾があります。同じ塾でも教える人によって異なることもあります。
例えば勉強の進め方で、学校の授業より早く進んでいて「予習」の形になっている所、授業より遅れていて「復習」の形になっている所、など。
私はどちらにせよ、塾に入って損はないと考えています。塾本来の目的は勉強だし、学校本来の目的も同じ勉強なのです。
私たちは今、中学3年生という最も大切な時期をむかえています。部活動もそろそろ引退し、勉学に力を入れているところではないでしょうか。義務教育最後の年、また、受験を
ひかえた年でもあります。この大切な一年をどう過すかによって、人生の進路もほぼ決まるのではないでしょうか。
ここでなまけた人はきっと後悔するはずです。いいえ、後悔します。
この1年の一日一日を大事に、有効に過ごした人はきっと満足気に義務教育を終え、笑顔で卒業していくでしょう。
今まで述べてきたことから、中学3年生、15歳という年は、人生の中での一番最初の別れ道だと思います。やる気がある人はどんどん塾に入って勉強してください。勉強が得意になれば、受験への不安なんてなくなるはずです。
最後に、受験生をもつ父母のみなさん、塾へ行かせておけば大丈夫という気持ちにならず、家庭でも充実した勉強ができるような環境を築いてください。
今、私と同じ年齢の人たちが、悔の残らないような進路を選べることを願っています。