第一回佐敷町少年の主張大会 最優秀賞
僕が佐敷中学校の生徒会の仲間に入ったのは二年前のちょうど今頃でした。
小学校の頃児童会役員をやっていたので、たいした変りはないだろうとばかり思っていたのですが、実際に生徒会の仕事をやって初めて児童会と生徒会の違いを身を持って知ることが出来ました。
児童会はどちらかというと、先生が中心になり児童会を引っぱり、教え通りやればよかったのですが、生徒会はそうはいきません。先生方は一歩ひかえて、自分達で意見を出し合い、計画を立て、自分達で実行していくのです。
僕が生徒会に入って初めてやった仕事が、校内球技大会へ向けてのたれ幕作りでした。
たれ幕なんて今まで一度として作った事のない僕だったので、うまく書けないというどころか、何をどう書いてよいのか、何から手を付けてよいのかさえ分かりませんでした。
鉛筆を片手にうろうろしていた時「書き方が分からないなら教えてあげるよ」と、先輩達が手を取って本当に親切に、しかも丁寧に細かいところまで教えてくれました。この時もし、誰にも教えてもらえなかったら、僕はただ一人何も出来ないまま立っている自分が情けなくなり、生徒会をやめてしまっていたかもしれません。
それゆえに、今さらながらあの時のうれしさが心の底からあふれ出てきます。
先輩達からアドバイスを受けたものの最初は失敗ばかりでした。書いては消し、消しては書いてと何度も書き直していくうちに、やっとそれらしい字になってきました。先輩達も「よくがんばったな」「うん、なかなかきれいに書けてるじゃないか」と褒めてくれました。
その時僕は、やっときれいに書けたんだといううれしさと、先輩達に対しての感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、胸にこみあげてくるものを感じました。こうして、先輩達の指導のもとで初めての仕事を成功させた僕は、先輩と後輩が互いに協力し合い、何か一つの目的を成功させようと頑張っている姿に心を動かされました。
そして、僕もこの先輩達と一緒に目標に向かって頑張ってみよう、佐敷中学校のために
このメンバーで力を尽くしてみよう、と思うようになりました。
このようにして、僕は生徒会の仕事をするようになりました。生徒会の仕事は多く、年間の行事のほとんどに生徒会は参加し、成功させようと準備をはじめとし色々な取組みをします。そのため、様々な仕事や体験をすることができ、今までよりも一層充実した生活を送れるようになりました。
先輩も後輩も互いに手を取り合って協力し、すべての行事を必ず成功させよう、すばらしいものにしようということを合言葉に多くの取組みをしてきました。仕事が多すぎて、八時、九時頃に家に着くこともしばしばありました。
こうして迎えた行事が成功し、すばらしいものであると、本当に生徒会に入って良かった、遅くまで残って頑張ったかいがあったとうれしくて心がいっぱいになります。
大きな行事であろうと、小さな行事であろうと同じように全力を尽し、成功の喜びをみんなで分かち合います。みんなで力を尽す、協力し合う、とてもすばらしいことだと思います。
今までの中で一番つらかった事は卒業式に向けての取組みでした。卒業生一人ひとりが未来に向かって希望の扉を開いてほしいという僕達下級生からの願いをこめ「開け未来へのとびらを」というテーマが決まりました。式場の舞台いっぱいの大壁画を、それもちぎり絵の大壁画を飾ろうということになりました。
計画は大きく立てられたけれど、僕としてはとても不安を隠せませんでした。何といっても、今度は先輩達にたよれません。僕達下級生で全部やらなければならないのです。期間に対する不安もありました。
大壁画の話を聞いて、美術の先生をはじめ数多くの生徒が壁画作りに参加してくれました。壁画は下級生全員で作るようにし、その後の修整は生徒会役員がやることになりました。壁画作りは思ったより困難で、放課後連日にわたって作業は進められましたが、帰宅が十時を回り、時には十二時を過ぎることさえありました。
どうして僕達だけこんなつらい思いをしなければ……と幾度となく思いました。でも、そんな時は、先輩達に色々と助けてもらった時の事を思い出し、恩返ししなければといい聞かせました。心にのこる卒業式を最高の卒業式で送ってあげようと心にいい聞かせがんばりました。
卒業式の前日、やっと出来上がった大壁画をゆっくりともち上げ、つり下げました。目の前に広がる壁画は本当にすばらしく、みんな手を取リあって喜びました。みんなで力を合わせて作ったんだという実感がうれしさと一緒になってこみ上げてきました。
僕はこの体験を通して、どんなに難しくて出来そうにない事でも、投げ出さずに力の限りを尽せば必ず成功するものだという事を知ることができました。
現在、生徒会の副会長になって2カ月です。今年は3年に一度の体育祭があります。学校のために、みんなのために、そして自分自身のためにも生徒会活動に力を入れ、体育祭を
はじめ諸行事を成功させていきたいと思っております。