なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい40 ワン妹(ウトゥ)(一つ年下)

このところ、新聞やテレビなどマスコミで海外で活躍するウチナーンチュを取上げ報道していることが多い。移住者や国際結婚した大たちの活躍振りが活字となり、映像となって紹介されている。
これらの報道とともに、海外のウチナーンチュの間では、純粋のウチナーグチが生きており、また沖縄の文化が大切にされていることが数多く取上げられている。私も以前ハワイにおいて、「ナマルクヮテチャル イッター クェーワ(いま食べて来ました。あなたたちおあがりなさい)」と、85歳のおばあさんにいわれたことがある。18歳で写真結婚し、ハワイに渡ったという方である。
沖縄では戦後絶えて久しく聞かない、現今では死語になった沖縄語にビックリした。本来の沖縄言葉は海外にしかないことを思い知らされた。
このおばあさんおっしゃるに、自分の子供たち(二世)とは双方沖縄言葉、日本語、英語のチャンポンで話は通じるが、三世(孫)となると全然通ぜず、馬鹿にされるとのこと。困ったものだと苦笑しておられた。
年齢の話では、「ワン ウットゥ」との答え。この答えは、チャンポン語であった。ワンは英語のひとつ、ウットゥは沖縄語「ワンウットゥ(1つ年下)」とのこと。
渡布当時。キビ畑で休んでいると白人監督が大声で「ホーハッパイ」とどなる。「ウリヒャー アバー(姉さん)デージナトゥーサ」と地べたにスカートの裾をおさえて座り込んだという。ホーハッパイとは、鍬を持って働けという現地語とのことであった。つきない苦労話であった。(平良亀順)

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大分類 テキスト
資料コード 008440
内容コード G000000550-0011
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第120号(1987年8月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1987/08/10
公開日 2023/11/17