なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい38 歩く姿はドラム缶

日本では小野小町、中国においては楊貴妃、エジプトのクレオパトラ、この三人を昔は
世界の三美女と称していた。
美人の条件に日本では、その姿を花にたとえて「立てば苛薬、座れば牡丹歩く姿は百合の花」という表現をしていた。
昔と今日とでは、花の好みも変って来た。
シャクヤクもボタンも現在では流行の花とはいえない。日本画の題材だから、やはり同じ美人でも和服の似合う美人の形容であろう。
歩く時も足を八の字の内股に、和服の白足袋に下駄の音をカラリコロリ、シャナリシャナリと歩いていた。
昔の沖縄で美人の条件といえば「ハチャーガマク(蜂の腰元)ラッキョウ、クンダ(腓)ヒーラー肩バイ(ゴキブリ肩)」という姿があげられていた。
ミス〇〇、〇〇の女王などといった美人コンテスト花ざかりの昨今は、身長八頭身、体重、バスト、ウエスト、ヒップ、いずれも美事な女性ばかり。戦前の陸軍一等兵で身長一五八糎の私では天を見上げるようだ。身長、体重ともに男まさりの女性が市中をジーンズ姿で歩巾も大股に威風堂々と闘歩しているのを見ているとたのもしい限りである。
先ごろある有名作家が、現今の中年太りの女性を評して、駄酒落ではあるが「立てばギクシャク、座れば魯鈍(ろどん)、歩く姿はドラム缶」といっていた。中年女性のたくましさをお忘れのようである。中年太りの女性を馬鹿にするな。中年女性よ大いに怒れ!
(平良亀順)

ダウンロード
大分類 テキスト
資料コード 008440
内容コード G000000548-0013
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第118号(1987年6月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1987/06/10
公開日 2023/11/17