はじめに
本日、ここに第52回佐敷町議会定例会が開催され、昭和62年度の予算案、並びに関連する諸議案のご審議をお願いするに当り、町政運営の基本方針と重要施策の大綱について私の所信を申し上げ、議員各位のご協賛と町民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
わが佐敷町は、町政運営の理念に「平和で明るく豊かなまちづくり」を掲げ、町民主体の町づくりを進めております。幸い、本町には郷土愛に燃える町民の方が数多く居住し、「まちづくり」を進めるに当って偉大な力となっております。この人的資源に加え、恵まれた豊かな自然がわが佐敷町にはございます。
今後の佐敷町の発展は、この二点を最大限生かすことによってより大きなものとなっていくと確信いたしております。
現在、復帰特別措置等による高率補助がとられているとはいえ、地方財政は依然として厳しいものがあります。さらに、石油ショック以来低経済成長を推移してきたわが国経済も、円高不況の波を受け、貿易摩擦による急激な輸出不振等で極めて厳しい現実に直面しております。
このことは、相つぐ国庫補助率の引き下げともあいまって、地方財政にも大きな影響を与えております。
しかし、情勢がいかに困難であっても、町政は渋滞したり、後退することは許されないのであります。このような時にこそ、将来を見通した健全な地方自治体の行財政運営を図り、これまで以上の事務事業の見直し等が緊急かつ重要な課題となってまいります。
町政は、町民のものであります。
町政の究極の目標は、すべての町民がその生涯にわたって、健康で豊かな生活を送ることができることを確保することにあります。
そのことはいまさら論を待たないところでありますが、現今の社会、経済情勢を敏感に反映し、かつ価値観の多様化とあいまって、町民各層からの町政に寄せる期待の大きさを思うとき、一層その感を深くすると共に、課せられた責任の重大さを痛感いたします。
いずれにいたしましても、行財政運営の舵取りが今日ほど将来の動向を見据え、大きな
視野で計画されなければならない時期はないだろうと思います。
今、昭和62年度の予算案並びに関連する諸議案を提案するに当り、この町政の基本を
再確認し、諸事業、諸施策の推進に全力を傾注する所存であります。
基本施策
佐敷町は、現在、将来の飛躍的な発展のための地歩を固め、礎づくりを推進する時期に
直面していると認識しております。現況を正確に把握し、本町の将来の姿、その過程を考え、何が必要になってくるかをひとつひとつ検討し、練り上げていかなければなりません。
新年度もこの視点に立ち、諸事業諸施策を推進してまいります。さらに、新年度においては、財政計画を策定し、予算の計画的な執行を進めてまいる所存であります。
町政運営の方向性としましては、「ひらかれたゆたかな町」「文化のかおる教育の町」「健康の町・福祉の町」「憩いと安らぎの町」を基本的な柱とし、産業、教育・文化、福祉、健康、生活環境等各分野にわたっての「まちづくり」に全力を尽すとともに、第42回国民体育大会「海邦国体」を成功させるため広く町民運動を展開してまいる所存であります。
第一の「ひらかれたゆたかな町」づくりでは、基幹産業である農業の基盤整備に重点を置き、浜崎地区土地改良事業、沖縄新農業構造改善緊急対策事業、農村総合整備モデル事業等を推進し、畜産、水産業、商工業等諸産業の振興につとめます。
第二の「文化のかおる教育の町」づくりでは、学校教育環境の整備、幼稚園教育の充実、社会教育、社会体育の充実に力を注ぎ、豊かな人間性、主体性と創造力を培う教育の実現のために努力いたします。
第三の「健康の町・福祉の町」づくりでは、町民が等しく喜びを分かち合える福祉の町づくりを目指すとともに、これまでの健康づくり事業の実績、成果を踏まえ、町民がこぞって参加できる健康づくりの諸事業を展開してまいります。
第四の「憩いと安らぎの町」づくりでは、住みよい町、明るい町づくりを基調に、津波古児童公園、新開都市緑地事業、新開球場周辺整備、道路整備等を進めてまいります。
「きらめく太陽、ひろがる友情」をスローガンに熱戦が展開される海邦国体もいよいよ
今年は本番を迎えます。
本町では、軟式野球(少年男子)競技会が開催されますが、町民一人ひとりの参加のもとに真心を込めて準備を進め、質素な中にも地方色を織り込み、内容豊かな実り多い大会にしたいと考えております。
ポスト国体の目玉として、昨年、県によって打ち出され調査が進められております「マリンタウンプロジェクト構想」も新年度で策定される予定であります。本町においても、この構想にのっとり、さらに近く建設される厚生年金休暇センター施設とも連携し、有機的に
機能する具体的計画づくりに着手してまいります。
町民に信頼される民主的な町政の運営は、私をはじめ全職員が一体となった意識のもとでことにあたってこそ所期の目的を達成することができるものと考えます。職員の自発的な創意工夫と創造力を結集し、役場総体として迫りくる21世紀の佐敷町のビジョンづくりに取組んでまいりたいと考えております。
そのため、従来の縦割り行政の弊害を無くし、行政の事務事業を横割的に思考できるような庁風づくりに尽力するとともに、研修会、研究会等を開催し、職員の資質の向上に努め、内部管理の適性化を図っていきたいと思います。
1.ひらかれたゆたかな町
本町は自他ともに認める自然的特性を備えております。諸産業の活性化を図る上で、このことは基本的条件として認識し、また、あらゆる面でそれを生かしていかなければなりません。さらに、産業の振興を図る上で、産業間相互の有機的な結び付き、共栄の実現に向けた諸施策を推進してまいりたいと考えております。
本町の農業の現状は、サトウキビ作中心の経営形態農家が多い中で、平坦地における農道、排水等の未整備により、荒し作リ等で生産性がまだまだ低い状況にあります。そのため農業基盤整備は、これまで同様強力な推進を図っていかなければなりません。
この農業基盤整備事業につきましては、昭和56年度から実施されている津波古地区土地改良事業が今年度で本換地を行ない、全ての事業を完了いたします。
今年度から進められております浜崎地区土地改良事業も、新年度は8ヘクタールが予定され、実施面積もいよいよ大きくなってまいります。
川田原地区は、沖縄新農業構造改善緊急対策事業により約7・5ヘクタールを整備する予定であります。まもなく完了する後原地区とともに農地の集団化による生産意欲の向上が期待されるところであります。
沖縄新農業構造改善事業は、今年度に県の指定を取付けました。早速新年度から推進事業を始め、圃場整備、農道排水整備事業、共同利用ハウス、集落環境施設整備事業等を導入し、地域に合った農家体系の確立を目指し推進してまいります。
土砂崩壊防止事業は、農地及び農業施設の保全のために土留め壁を設けて法面崩壊を未然に防止し、農業経営の安定化を図るための事業であります。この事業を新年度から導入し、2年計画で実施してまいります。
新里地区背後の農地は、平均斜度が17度もあり農地の侵食、法面崩壊の恐れがあります。この地区の農作物の被害防止を図り、生産性を高めるため、新年度より農地保全事業を導入し整備を進めてまいります。
農村総合整備モデル事業も実施3年目を迎えました。今後は、基本計画に沿って緊急性のある地域から農道排水、集落道等の整備を進めてまいります。
造林事業は、治山、治水や町土保全のために昭和53年度の試験植栽から、森林総合整備事業として今日まで約70ヘクタールの人工造林を実施してまいりました。
新年度は、約2ヘクタールの新植と約37ヘクタールの保育を予定しております。今後はこれまで造林を進めてきた樹種の保育に努めたいと考えております。
水産業は、これまで導入された諸施設の有効利用を図り、新年度はさらに水産構造改善事業による巻揚機を設置し、漁業施設の整備に努めてまいります。
今日の畜産経営は、地域環境との関わりが深く、集落外への共同畜舎の推進や、悪臭、公害対策が望まれております。新年度は、共同畜舎の推進と獣医師の連続委託、畜産共進会の開催等により畜産振興に努めてまいります。
商業の振興は、共同店舗を核とした商業の近代化及び活性化を図るべく、商工会の商業地域づくりに積極的に協力していきたいと思います。
以上申し上げました以外に、昭和56年度に策定いたしました農業振興地城整備計画の土地利用区分の見直しを行ない、農地の有効利用を推進していきたいと思います。
2.文化のかおる教育の町
本町の基本施策のひとつである教育・文化の香り高いまちづくりにつきましては、永年その取組みがなされているところであります。町民ひとりひとりの豊かな人間性、主体性と創造力を培う教育の実現のために家庭・学校、地域社会が一体となり生涯教育を根底に据えた学校教育、社会教育の充実を図っていく所存であります。
この、教育・文化のまちづくりでは、学校教育条件の整備、幼稚園教育の充実、社会教育の充実、保健体育の充実、町史編纂の推進等を主要施策としてまいります。
ます、学校教育条件の整備は、今年度にひき続き、佐敷小学校の運動場拡張及び整備に取組んでまいりますが、教材備品、図書の充実を図り、より快適な環境づくりに努めてまいります。
また、佐敷中学校は、校舎の総合計画(基本計画)を検討し、教育環境の整備充実を進めてまいります。
馬天小学校は、楽しい体育の研究指定校として2年目を迎え、その強化、充実を図るとともに、新たに佐敷小学校と佐敷中学校が文部省の道徳教育推進校として指定を受け、道徳教育の強化、学習活動の充実を図っていく所存であります。
さらに、学力向上の推進活動、青少協及び子ども会活動の育成、強化に努め、青少年健全育成運動を強力に展開してまいります。幼稚園教育は、園の環境整備と砂場を利用した学習活動を推進してまいります。
社会教育は、生涯教育の充実を図り、町民の生涯教育推進活動に対する協力体制の確立に努めます。また、国体に対する協力体制の強化を図り、国体での民泊の協力体制と町民運動を推進してまいります。さらに、社会教育関係団体の連携を密にし、それぞれの団体の組織運営の充実を図ってまいります。
保健体育は、町民の健康、体力の増進とスポーツ、レクリエーション活動を推進し、健康で心身とも豊かな町民育成に努めてまいります。体育指導員の充実強化を図り、町の体育施設を利用した各種講習会、テニス教室等のスポーツ教室を開設し、町民の健康づくりに努めます。
文化財の保護育成では、冨祖崎のハマジンチョウの土地購入を行ない天然記念物の保護に努め、緑の豊かな潤いのあるまちづくりを推進してまいります。古くから伝承されてきた伝統文化の継承と保護、育成、広理に努め、町の文化遺産の保護に尽力してまいります。
『佐敷町史』は、現在「自然篇」の編集を進めておりますが、町内八域にわたる調査をほぼ終え、いよいよ原稿執筆に入ります。昭和63年度の刊行を目指し編集作業を進めますが、刊行の暁には、他にないユニークな町史として、また、町の一計画立案の原資料、町内の
自然学習の書として町内外の注目を得るものと期待いたしております。
3.健康の町・福祉の町
町民が等しく喜びを分かち合える福祉の町、健康に輝く町民の笑顔のあふれる町の実現を目指し、これまでにも増して積極的な施策を推進してまいりたいと考えております。
本町は、福祉事業の推進にあたって「福祉の風土づくり」ということを根底に据え、事業の効果的な展開を図ってまいりました。
新年度においても、この基本姿勢にのっとり、諸事業を推進していく所存であります。また、福祉に対するニーズを的確に把握すると同時に適切にし迅速な対応の実現を目指して、町社会福祉協議会、町民生児童委員協議会、町老人クラブ連合会をはじめとする福祉関係諸団体との連携強化を図りつつ、関係団体、ボラティアの育成強化に努めてまいります。
老人、障害者福祉にあっては、該当者の在宅福祉対策を推進すると同時に、看護者、介護者についても、効果的な措置ができるような地域福祉体制の確立に全力を傾ける所存であります。
国民年金は、人生80年時代といわれる今日の高齢化社会においても、老後の健全な生活が維持できるような、長期的に安定した制度を目指して改正された「新国民年金」の趣旨を町民に普及・徹底し、さらに、無年金者の発生を防ぐためのきめ細かな対策を推進してまいります。
本町は、永年「まちづくり」のひとつの柱に「健康づくり」を揚げ、「自分の健康は自分で守る」をスローガンとして、町民総参加の健康づくり、体力の向上に取組んでまいりました。
昭和59年度から61年度までの3年間受け入れました「ヘルスパイオニアタウン事業」においては健康まつり、健康づくり町民運動会、母子保健推進員の県外先進地研修、栄養改善教室、健康体操、ヨガ、テ二ス、バドミントン教室など、新たな事業を拡大して多くの町民の参加のもと着実に「健康づくり」の成果を上げてまいりました。
なかでも、ヨガ、テニス、バドミントンにあっては、教室修了者が中核となって愛好会が結成され、いまや、地域住民の健康づくりとして定着し、その健康増進に役立つなどの着実な成果をもたらしております。
婦人の健康は、家庭生活の基盤であり、健康な子孫の育成に大きな影響を及ぼすものであります。その意味で、新年度は、これまでの健康づくりの成果を踏まえ、母子保健の充実強化を図ってまいります。
「婦人の健康」を大きくとらえ、新たに婦人の健康づくり事業をスタートさせ、18歳から40歳未満の婦人の健康診査事業に力を注ぎ、その結果などをもとに食生活改善地区組織活動を展開し、婦人のみならず地域住民全ての健康づくりを推進してまいります。
老人保健法に基づく健康づくり事業は、高齢化社会の到来にそなえ、各種検診の受診率の向上に努力し、有病者の早期発見、早期治療により医療費の適正化を図ります。また、町・駐在保健婦による健康教育や健康相談、訪問指導の強化により、住民の健康管理に対する
意識の高揚を図ってまいります。
4.憩いと安らぎの町
住みよいまち、明るいまちづくりを基調にし、町民生活の向上を図っていくことが、行政の目的とするところです。そのために、環境の整備には特に力を尽し、また、自然を生かし、自然と調和するまちづくりを目指してまいる所存であります。
これまで整備を進めてまいりました冨祖崎公園、新開公園および屋比久、つきしろの両児童公園は、地域住民に広く利用され、地域のコミュニティの場、いこいの場としてすでに機能いたしております。さらに、町民待望の新開児童公園も国体会場に隣接して今年度中には完成の予定であります。
新年度は、津波古児童公園を新たに設置するとともに、新開地区の緑豊かな都市環境形成を図るための新開都市緑地事業を引き続き進めてまいります。
新開球場は、今年の海邦国体の軟式野球(少年男子)の主会場として昨年完成し、すでに町民に広く利用されスポーツの振興、町民の健康増進に大きく貢献しております。
今年度は、新開球場の周辺整備を進めてまいりましたが、新年度も引き続き整備を行ない、国体会場にふさわしい球場として、さらに、スポーツを通した町民のコミュニティの場、
いこいの場、健康づくりの拠点としての条件整備につとめてまいります。
道路整備は、馬天倉庫線改良工事、新里佐敷線舗装工事はすでに完了し新開中央線歩道
整備及び植栽工事も今年度中には完成の予定であります。
馬天倉庫線舗装工事、佐敷大里連絡線、新開12号線歩道整備は、新年度も継続して取組んでまいります。
新里地内の町道長作線の代替道路としての夜明が丘線と、新開一周線歩道整備事業も新年度の新たな事業として推進したいと思います。
失業対策事業は、公共施設の清掃、集落内側溝の整備を引き続き推進し町民の居住環境の整備に努めます。
講和発行前つぶれ地補償は、昭和56年度から開始し、今年度末で415,839千円の補償を実施してまいりました。この事業も、新年度で完了の予定になっております。
幹線道路以外の道路のつぶれ地補償につきましては、昭和63年度以降の事業推進に鋭意努力してまいります。
沖縄対米請求権事業も引き続き実施し、コミユニティ活動および生活環境整備事業等を行なう所存であります。
県営事業の馬矢港整備事業、県道137号線の歩道設置工事、新里地内地すべり対策事業は、新年度も継続して進められることになっております。また、永年の懸案でありました兼久地先護岸工事も、今年度から新たに開始されております。この事業は、新年度も継続され、完成後は町土の保全及び潮害防止に威力を発揮するものと思います。
「心豊かなふるさとづくり推進運動」は、今年開催される海邦国体に照準を絞り、国民
体育大会の町民運動と歩調を合わせた活動を展開してまいります。
水道事業は、これまで補助事業をもって改良、整備を進めてまいりました。しかし、高台地域においては、ある時間帯になると水圧が弱くなり大へん不便を与えているのが現状であります。
そこで、今後の事業計画といたしましては、高台地域対策の不良給水地域の整備を行ない、町民が等しく水の恩恵に浴せるように努力してまいりたいと考えております。
幸いにして、県では、10年後の水需要に対処するため基本構想事業計画が策定されています。この計画により昭和64年度を目処に、現在知念村、佐敷町、玉城村が利用している企業局の調整池の増改築・さらに送水管の改良、送水経路等の変更が予定されております。
本町でもこれまでの計画の見直しを行ない、県の事業計画に沿って今後の事業計画を
年次的に策定し、昭和64年度の事業実現に向けて積極的に取組んで参りたいと考えております。
海邦国体の成功にむけて
国民体育大会は、広く国民の間にスポーツを普及し、スポーツ精神を高揚し、国民の健康増進と体力の向上を図り、併せて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活を明るく豊かにしようとするものであります。
とりわけ「海邦国体」をテーマに「きらめく太陽 ひろがる友情」をスローガンに、今年の秋に開催される第42回国民体育大会は、復帰15周年を記念するとともに「平和の祭典」 「スポーツの祭典」として全国一巡の最後を飾る意義深い大会であります。
この国体に佐敷町では、軟式野球(少年男子)竸技会が開催され、沖縄県代表翔洋クラブをはじめ、全国の精鋭16チームの参加のもとに熱戦が繰り広げられます。
この機会に、復興目覚ましい沖縄の姿、青い空と紺碧の海に囲まれた沖縄、南国情緒豊かなワシントンヤシ並木の佐敷町を広く全国に紹介するとともに、国体の成功を通じて、一万町民の自信と誇りに満ちた人情味あふれるウチナーンチュの心意気を示したいと考えるのであります。
国体の成功へ向けて、町民一体となって着々と開催準備を進めてまいりました。町民の
理解と協力のおかげで、リハーサル大会、町民運動推進丈会、民泊家庭の目標戸数100
パーセント達成等において大きな成果を上げることができました。
海邦国体を成功させるためには、国民体育大会開催要項に基づく円滑な運営とあわせて、本町を訪れる選手・競技役員等に対する町民挙げての心温まる歓迎と交流を図ることが大切なことであります。
町民運動の展開をはじめ、町民ひとりひとりの尚一層の理解と協力を得て、すばらしい
国体が開催できるよう町民一丸となった取組みを進めてまいりたいと思います。
また、国体の運営体制につきましては、体制の充実強化を図るとともに、国体実施本部体制を確立し、競技運営、宿泊、輸送、交通、警備等の競技会運営に万全を期すとともに広報・町民運動を積極的に推進する所存であります。
おわりに
以上、昭和62年度の町政執行の基本方針と施策の大綱について申し上げてまいりました。
最初に申し上げましたように、地方財政は、義務的経費の増加等により、あいかわらず
厳しい状況にあり早急に財政構造の健全化を図ることが強く望まれているのであります。
このため、地方自治体においても従来にもまして事務事業等の見直し等により、行財政の簡素効率化と経費の節減合理化を推進し、限られた財源の重点的かつ効率的な配分を進めなければなりません。
このような中にあって、私は、先人から預かったこの美しい自然を守り、豊かな土壌を
育み、ともに自然と人間が強固に結び付いた町づくりに、今後も一層の努力を続けることをお誓いし、議員各位と町の皆さまのこれまで以上のご理解とご協力をお願いする次第で
あります。
昭和62年3月12日
佐敷町長 山城時正