なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

まちづくり100日シンポジウムより⑨ イキイキ自然 夢ある街を 「求められる都市計画の必要性」

前・町老人クラブ連合会会長 嶺井永湧
わが佐敷町においては、昭和59年7月に冨祖崎運動公園がめでたく開園されました。
場所的には、馬天港に面し、緑に囲まれ、眺望に恵まれ、町民の憩いの場として、また、
健康づくりの場としてふさわしく、文字通りわれわれの町の公園といえます。
ところが、地理的な面、交通の便から見た場合で、全町民の憩いの場、諸行事の場としては不可とする声を耳にすることがあります。
私たちの幼少の時分を思い出してみますと、佐敷町は競馬(馬勝負)が盛んで、年に2回、春と秋に開催されていました。今回は屋比久ガニク、次回は新里馬イー小(グワー)というように、競馬は交互に開催され、全町民を挙げての楽しい大行事であったことを記憶しております。
思うに、町民、各家庭が自家用車を所有している今日、駐車場を考えない場合、交通の便にそれほど困るとはいえませんが、全町的行事が行なわれる冨祖崎運動公園の位置するところは、地理的片寄りはいなめない事実であります。
ここで考えてみたいことは、あの昔の競馬の行なわれた馬場の存在です。東の冨祖崎運動公園であれば、西側にも同等の公園を建設していただき、交互に行事を開催していくのです。そうすることによって、町民に対する行政のサービスも等しくなるのではないかと思われます。
次に、新開河川の維持管理について少し述べてみたいと思います。
東京、大阪をはじめ、各県の都市には多くの河川が流れております。
東京でいえば墨田川、大阪ならば道頓堀川、いずれも街のシンボルとしてあります。わが県都那覇市中にも、久茂地川、国場川が流れています。
この川の流れ、水の良否によってその都市の市街の活気と面目が左右されているのではないでしょうか。
わが佐敷町においても、市街化区域である字津波古と字新開の中央を新開川が流れていますが、決してほめられた流れではありません。ところどころにゴミが積っている実情であります。
町当局としては、この河川の維持管理に力を入れ、河川を生きかえらせ、きれいな水の流れをとりもどし、街の面目を一新して、美しいまちづくりに寄与していただきたいと願うものです。
以上、三点について私の意見を申し述べましたが、これらは町民の多くが感じているであろうと思われる事項であります。歴史的町なみを考慮に入れた区画整理、都市計画、公園や広場といった憩いの広場の増設、そして、まちに潤いをもたらす清らかな流れを実現して、いきいきとした自然の夢ある街づくりを切に望むものであります。 (このシンポジウムは、昭和60年10月27日に行なわれました)

ダウンロード
大分類 テキスト
資料コード 008440
内容コード G000000542-0019
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第116号(1987年4月)
ページ 11
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1987/04/10
公開日 2023/11/17