なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい34 処かわれば

先ごろ、波の上の料亭で同期生会があった。開催時間にはまだ早く、数人しか来ていないので、フロントで四方山話をしていると、可愛いい娘さんから天井の電球の取り換えを頼まれるはめになってしまった。
何か足場になる箱か椅子はないかといったら、1人が「マータカ、ダーカー」したら届くだろうという。他の1人は「ブータトーウクヮン」がよいといい、もう1人が「アギリン、ボンボン」にしたら届くよ、と。
耳馴れない言葉が次々と飛び出すので奇異に思っていたら、「この中で体重の軽いのは君だ、私の肩に乗れ」とN君。老骨でも折ったら大へんだとは思ったが、可愛いい娘さんの手前、清水の舞台から飛び下りる決心で大男のN君の肩に乗って、無事任務を果した。先の3人3様の言葉は、いずれも「肩車」の異称だとわかって、大笑いした。
その後これがやみつきで、隣町村の同語を聞いてまわった。豊見城村では「フトゥキーグヮー」、隣りの玉城村は「カタガーミー」与那原町「マータル、ダーカー」となり、西原町は「アギリン、ボンボン」、那覇市旧小禄では「カタカタ馬ヌイ」、那覇では「マータカ、ダーカー」となる。
嘉手納町では「肩グヮー、ウッチャーキー」、泡瀬方面は「馬グヮー、ドウドウ」、具志川市方面では「馬グヮー、ユイユイ」と、こんな狭い沖縄でも処かわればと感心した。
本町では、肩車のことを「肩ヌシイ」といっているが、ほかに呼び方があったらぜひお教えいただきたい。(場天順)

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大分類 テキスト
資料コード 008439
内容コード G000000540-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第114号(1987年2月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1987/02/10
公開日 2023/11/17